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#瑠璃の宝石 3巻 評論(ネタバレ注意)

アクセサリーショップで水晶のアクセサリーに身惚れた女子高生・瑠璃は、母親に小遣いの前借りをせびるものの断られる。

母親が断る口実に言った「水晶なんて爺ちゃんが山菜採りのついでに山で拾ってた」を真に受けた瑠璃は、バスの終点の山奥に一人分け入るものの、どうすればいいかわからない。石を抱えてうずくまる瑠璃に声をかけてくれた女に、瑠璃は意を決して尋ねる。

「瑠璃の宝石」3巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

彼女、鉱物研の大学院生の凪は、こともなげに水晶が取れる場所を告げ、瑠璃の頼みを聞いて案内をしてくれる。そこには巨大な水晶鉱床が広がっていた。

から始まる、ガール・ミーツ・ガールで鉱物採集をテーマにした、ハルタらしいニッチな趣味・学問もの。ややコメディ寄りの専門ジャンル漫画。特に百合ではない。

「瑠璃の宝石」3巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

凪と水晶との出会いから、銭ゲバ気味に金目の鉱物を狙っていた瑠璃が、徐々に鉱物そのものの魅力と知的好奇心に目覚めていく。

高校生、大学院生、大学生の3人パーティに、今巻から委員長体質で鉱物研究者志願でヒロインのクラスメイト(表紙の赤髪の子)が加わって、女子ばかりの4人パーティに。

「瑠璃の宝石」3巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

海辺でのシーグラス拾いから拡がる近代産業史、水質調査から辿り着いた人造にして自然の鉱床、台風とダムが産んだオパールのつかみ取り会場、研究室を片付けられないナギさん、廃坑の旧鉄道線路に残されたミステリー、サファイアのコシカタ。

地球の歴史を映す鏡である鉱石や水のその因果が、自然だけでなく時として人為にも影響を受けて形を変えてきたミステリーを、地道なフィールドワークと経験則で解き明かす、知的探求の楽しさ。

「瑠璃の宝石」3巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

1巻当初、金銭的な価値を動機に鉱石に興味を持った高校生ヒロインが、サファイアそのものよりも「サファイアがそこに居る理由」を解き明かすことに無自覚に興味の重点が移ってきています。

「研究の楽しさ」「未知に接続する欲求」をテーマをこんな風に読みやすく楽しく具現化した漫画を読んだのっていつ以来だろうか。ニッチな分野の専門的なうんちくを連ねた穏やかで地味で学問的な漫画なのに、冗長でも退屈でもなくちょっとスリリングですらある。

「瑠璃の宝石」3巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

『もやしもん』以来ぐらいかな。

次巻は遠征、トパーズ採集旅行とのことです。

 

 

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