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#ラーメン赤猫 4巻 評論(ネタバレ注意)

ジャンプ+のインディーズ連載から好評につき異例のコミックス発刊、正式連載に昇格した作品。

ブラック企業を退職した人間・社 珠子(やしろ たまこ)が人づての紹介で次の職場として採用面接を受けたのは、猫と虎がラーメンを作り猫が接客する、猫と虎で営業するラーメン屋、「ラーメン赤猫」だった。

『ラーメン赤猫』4巻より(アンギャマン/集英社)

ラーメン丼に毛を落とせない従業員猫たちのブラッシング係、次いで皿洗いを任された社さんと猫たちの、お店日常もの。コメディに寄りつつ人情噺が中心。

本作の猫は人語を解し話しラーメンを作りラーメン屋を経営し、人間並の完全な人権は未整備っぽいものの店舗の経営ぐらいまでは社会から許されている世界観。

たぶんちゃんと納税もしてる。

『ラーメン赤猫』4巻より(アンギャマン/集英社)

主人公というか狂言回しヒロインが人間ということもあり、日常ものが自然、異種間コミュニケーションのお話に。

理屈をつければ「SDG's的な多様性を重視したお話」とも言えますが、教条めいた硬さや押し付けがましさを感じさせない、さらっとした優しいお話。

『ラーメン赤猫』4巻より(アンギャマン/集英社)

「ほっこり」って表現が嫌いな人もいることは存じ上げてはおりますが…そんな人は猫がラーメン屋やるような漫画そもそも読まないかw

ギスギスした社会に疲れた人間を癒してくれる、二重の意味でファンタジーなほっこり系です。

一見、平和で平穏な日常ですが、猫たちと虎と社さんの日々の小さな努力と研鑽の積み重ねがその日常を維持しています。

『ラーメン赤猫』4巻より(アンギャマン/集英社)

今巻は新キャラ登場。

創業以来の大繁盛で猫の手「を」借りたいどころか雇いたいラーメン赤猫にホール見習いの新メンバー、長毛種のジュエルが追加。

将来ホストクラブを開業するため接客や店舗経営を学びたい野心家のジュエル。

しかし、ジュエルが目にしたのは想像を絶するレベルで研鑽を積み重ねたラーメン赤猫スタッフたちの「一流の仕事」だった…

『ラーメン赤猫』4巻より(アンギャマン/集英社)

学園ものでいうと「転入生登場!」というところ。

新入りが初心者の目線でレギュラーキャラクターやルールや技術を学ぶことが読者のインプット(世界観紹介)にもなる、というのは、漫画に限らず多くのエンタメ作品が取り入れてる手法で、この作品も1巻から社さんを使ってやってきたことですが、あらためて、しかも「経営者・接客のプロを目指す若い猫」という目線で。

「ホストらしいキャラ付け」って、チャラくて軽いのに縦社会というよくわかんねえ文化で、レギュラーメンバーの関係の「味変」になってて面白いな。

『ラーメン赤猫』4巻より(アンギャマン/集英社)

なんだかラブコメ漫画への「ギャルの導入」が流行った頃を思い出しますねw

 

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