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#ラーメン赤猫 5巻 評論(ネタバレ注意)

ジャンプ+のインディーズ連載から好評につき異例のコミックス発刊、正式連載に昇格した作品で、確かTVアニメ化も決定済みの人気作。

『ラーメン赤猫』5巻より(アンギャマン/集英社)

ブラック企業を退職した人間・社 珠子(やしろ たまこ)が人づての紹介で次の職場として採用面接を受けたのは、猫と虎がラーメンを作り猫が接客する、猫と虎で営業するラーメン屋、「ラーメン赤猫」だった。

ラーメン丼に毛を落とせない従業員猫たちのブラッシング係、次いで皿洗いを任された社さんと猫たちの、お店日常もの。コメディに寄りつつ人情噺が中心。

本作の猫は人語を解し話しラーメンを作りラーメン屋を経営し、人間並の完全な人権は未整備っぽいものの店舗の経営ぐらいまでは社会から許されている世界観。納税もしてる。

『ラーメン赤猫』5巻より(アンギャマン/集英社)

主人公というか狂言回しヒロインが人間ということもあり、日常ものが自然、異種間コミュニケーションのお話に。

理屈をつければ「SDG's的な多様性を重視したお話」とも言えますが、教条めいた硬さや押し付けがましさを感じさせない、さらっとした優しいお話。

『ラーメン赤猫』5巻より(アンギャマン/集英社)

「ほっこり」って表現が嫌いな人もいることは存じ上げてはおりますが…そんな人は猫がラーメン屋やるような漫画そもそも読まないかw

ギスギスした社会に疲れた人間を癒してくれる、二重の意味でファンタジーなほっこり系です。

一見、平和で平穏な日常ですが、猫たちと虎と社さんの日々の小さな努力と研鑽の積み重ねがその日常を維持しています。

『ラーメン赤猫』5巻より(アンギャマン/集英社)

そういえばもう30年ぐらい前、大学時代に、大学の近所に「ねこラーメン」と呼ばれる店が在ったことを思い出しました。

「ねこラーメン」は大学生たちの間の通称で、正式名称は知りません。

ラーメン屋で飼ってる10匹ぐらいの猫が、ラーメン屋の中を勝手気ままにうろうろして、客席のカウンターやテーブルをテキトーに歩き回ったり寝たりしている店だったとか。

30年前で田舎のことなんで、おおらかな時代だったと言えばそれまでなんですが、昔からあって、少なくとも自分が在学している間は潰れたという話は聞きませんでした。

『ラーメン赤猫』5巻より(アンギャマン/集英社)

自分は「不衛生だ」とは思ったわけではないんですけど(実際、不衛生ですが)、猫好きながらラーメンはラーメン、猫は猫で、それぞれ愛でたいというのと、

「猫を売りにしているラーメン屋ってあんまり美味しくなさそう」

と口には出さずとも思っていて、結局一度も行きませんでした。

いま思えば、食べずに「美味しくなさそう」というのは内心で思っていたからこそ他人を傷つけることはなかったものの、まあ偏見ではあったよな、とは。

まあ現実には、偏見がどうこう以前に不衛生ではあるんですけどw

「ラーメン赤猫」も類似の偏見に悩まされたこともあっただろうな、と思います。

件の大学の近くの「ねこラーメン」、それっぽいワードでググってみたけど、どうも現存してないっぽい。

『ラーメン赤猫』5巻より(アンギャマン/集英社)

1回ぐらい、行っときゃよかったな。

 

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