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#デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い 7巻 評論(ネタバレ注意)

最強の悪魔デビィ・ザ・コルシファは最強故に地獄界で闘う相手がいなくなり、退屈しのぎに人間界へ現れた。人間界というか具体的にいうとその辺の高校生・六郎の部屋に現れた。

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』7巻(平方昌宏/集英社)

しかしゲームにかけてはクソ雑魚ポンコツだった最強の悪魔は、以来、人類の存亡を賭けて毎日、六郎の部屋に遊びにやってくることになった…

という、のじゃ語尾最強美女ヒロインのクソ雑魚チョロポンコツっぷりを愛でるギャグコメディ。

ルックスはジャンプ漫画っぽいですけど、平凡な少年の家に超常の何かがやってくる、という「オバケのQ太郎」的な藤子不二雄ワールド的な、非日常キャラによる日常ギャグコメ、という定番ジャンル。

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』7巻(平方昌宏/集英社)

連載のリアルタイムとゆるく連動して時間が進み、季節は作中二度目の冬。

前巻ではギャグコメ進行ながら「いつかくる終わり」を予感させ、ヒロインが「永遠であれ」と抗う描写が度々差し込まれました。

今巻ではそれを忘れたように日常コメディが繰り広げられたと思ったら、読者が忘れた頃に「受験で忙しい六郎」エピソード。

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』7巻(平方昌宏/集英社)

匂わせるのはやめて、日常コメディ回は日常コメディに徹して、六郎の環境が変わる話は回を絞って、でも匂わせに逃げずに正面から、という。

この作品をどうしようか迷ってた作者が腹を括って吹っ切れたムーブにも見えますねw

色んな意味で少年漫画のフォーマットに則った作品なんで、主人公の少年の高校の卒業は「少年期の終わり」「モラトリアムの終わり」を想起させて、

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』7巻(平方昌宏/集英社)

どうしても「完結、近し!」みたいに思ってしまいがちなんですけど、よく考えたら「大学生活が高校生活以上にモラトリアム」って珍しくもないんですよねw

楽しい作品なんで、六郎が大学生になってもこの作品が続くのも、全然ウェルカムなんですけど、そのタイミングでレーベルが青年誌に移ったら「オイ、何を描く気だ」って感じでちょっと面白いねw

作者に「時間が流れる(サザエさん時空じゃない)建て付けにしたことを後悔してない?」って、ちょっと訊いてみたくはありますが、

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』7巻(平方昌宏/集英社)

もしかしたら数巻後には訊くまでもなく、その答えが出るのかもしれないですね。

 

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