#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い 6巻 評論(ネタバレ注意)

最強の悪魔デビィ・ザ・コルシファは最強故に地獄界で闘う相手がいなくなり、退屈しのぎに人間界へ現れた。人間界というか具体的にいうとその辺の高校生・六郎の部屋に現れた。

しかしゲームにかけてはクソ雑魚ポンコツだった最強の悪魔は、以来、人類の存亡を賭けて毎日、六郎の部屋に遊びにやってくることになった…

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』6巻(平方昌宏/集英社)

という、のじゃ語尾最強美女ヒロインのクソ雑魚チョロポンコツっぷりを愛でるギャグコメディ。

ルックスはジャンプ漫画っぽいですけど、平凡な少年の家に超常の何かがやってくる、という「オバケのQ太郎」的な藤子不二雄ワールド的な、非日常キャラによる日常ギャグコメ、という定番ジャンル。

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』6巻(平方昌宏/集英社)

連載のリアルタイムとゆるく連動して時間が進み、季節は作中二度目の冬。

ノー天気にコメディ日常を楽しんでいた悪魔ヒロイン・デビィが、六郎が将来の進路を考え始めたことを契機に、「いつか終わる日常」であること、人間と悪魔の寿命差で永遠に一緒にはいられないことに気づいてしまい、「いつかくる終わり」を予感させるシーンが繰り返し描写され、日常ギャグコメ(少しラブコメ)作品ながら、「日常ギャグコメ」、「美少女オバQ」の脱構築を志し始めた作品。

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』6巻(平方昌宏/集英社)

近年は「人間と人外の寿命差」をテーマにした作品が再興気味ですね。

今巻も、ギャグコメ進行ながら「いつかくる終わり」を予感させ、ヒロインが「永遠であれ」と抗う描写が度々差し込まれます。

ギャグコメなんで、某作品のように途中から

「今巻からこの漫画は『サザエさん時空』に入ります」

でも許される気がしますけど、今巻最初のエピソードを見る限り、この作品はやらなそうな気もしますね。

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』6巻(平方昌宏/集英社)

今巻では最終回近くのクライマックスに使えそうなネタやセリフも惜しげもなく吐き出して、「計画的に作品を畳むこと」より、キャラがどう動くのか、自分の筆がどう動くのか、流れに任せてみよう、と作者が考えている節も。

「日常ギャグコメ」の脱構築を図った漫画作品は過去にもたくさんありましたが、もしかしたら新境地が見られるんじゃないかと、この作者が出す答えが今から少し楽しみです。

『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』6巻(平方昌宏/集英社)

六郎が高校を卒業するであろう、10巻過ぎぐらいが一つの節目になるんかな。

 

aqm.hatenablog.jp