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#あかね噺 5巻 評論(ネタバレ注意)

浅草の阿良川一門の落語家(二ツ目)阿良川志ん太の娘、小学生・朱音(あかね)は父親の落語を誇りに思い憧れていた。

朱音も応援する父親の真打昇進試験、しかしその顛末は予想だにしないものだった。

内密かつ非公認に、一門ナンバー2の落語家・阿良川志ぐまに父に倣って師事して6年、高校生となった朱音は父親の意志と夢を継ぐべく、正式に志ぐまに弟子入りし阿良川一門に入門。

『あかね噺』5巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

父の叶わなかった夢、真打を目指す朱音の落語家人生が始まった!

という、落語をモチーフにした成長譚の青春譚のサクセスストーリー。

週刊少年ジャンプ本誌連載ながらモチーフが落語という変わり種ですが、まあ「なにやってもジャンプ」というか「落語やってもジャンプ」というか。

『あかね噺』5巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

ジジババイメージが強い伝統芸能の世界の中心で元気で可愛いJKが主人公、というのもギャップがありつついかにも今どきでキャッチーで、世代間コミュニケーションの楽しみや「男社会の中の女」という切り口にも派生できそうで、見た目の印象以上に拡張性が高い作品だな、と。

『あかね噺』5巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

前座として寄席の下働き修行に出た朱音だったが、才能で目立つ以上に、アマチュア大会優勝で悪目立ち・負けん気の強さで悪目立ち・革新的な落語を志す荒川一門自体が悪目立ち、と、業界内で悪名先行、先輩・格上ながらハラスメント気味な二ツ目とも揉める中、「前座としてすら持ちネタが少ない」という弱点も露呈。

かくして、業界内の逆風の中、朱音に噺を教えてくれる師匠探しクエストが始まった!

この文章、「朱音のなんかが始まった!」ばっかりだな。

『あかね噺』5巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

作中でドラクエのレベル上げとスキルに喩えられてますが、大呪文を教えてくれる大魔法使いを探す旅、というところ。

朱音の修行キャリアは小学生以来6年超と決して短くはないですが、師匠の荒川志ぐまが安西先生よろしく徹底的に基礎だけ叩き込んだ6年間だったっぽい。

大看板の見栄の切り方が完全に『ONE PIECE』の七武海や海軍大将や四皇の登場シーンみたいでかっこいいけど、客が全員爆発しそうな演出でちょっと笑っちゃうw

『あかね噺』5巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

『スラムダンク』みたいに、単行本のエピソードの幕間で細々とおまけ漫画が挟まるんですけど、うらら師匠とかの気を抜いた日常の「素」が垣間見えて、嬉しいおまけだね。

女性落語家で大看板、というパイオニアというか朱音にとってのロールモデルが登場。

情熱をうちに秘めつつクールビューティーでローテンションでハイスペックで、ラブコメじゃないとはいえ人気投票で真冬先生みたいにぶっち切ったりしませんかこの人。

漫画の師匠キャラ的に志ぐま師匠とか霞んでるけど大丈夫か。

『あかね噺』5巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

この作品初の女子会展開から、あかね噺の6巻待ちが始まった!

 

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