母親を亡くし父親は刑務所、中卒で工場で働く主人公。
3つ下のブラコン妹の公立高の受験失敗と、職場での学歴コンプレックスがきっかけで、妹と一緒に通信制高校に通うことに。
事情を抱えたヒロイン、親の勧める名門校を蹴って通信制高校に。
2人は惹かれあいつつ、世代もバラバラないろんな同級生たちとの交流を通じて、卑屈だった自分と向き合って少しずつ成長していく青春恋愛もの。
序盤の2巻で女の子が陰湿な性暴力の被害に遭うシーンがあるので、そういうシーンを観ると気分が落ち込む人等はこの作品は読まない方が良いです。
主人公たち兄妹の父親が出所、紆余曲折ありヒロインを交えての面会中に主人公の父親が酔って錯乱、ヒロインに怪我を負わせてしまう。
信頼してくれていたヒロイン側の父親に「娘と別れてくれ」と告げられた主人公。
一度は離れたものの前巻で復縁しましたが、元・受刑者で出所してもアレな感じの父親が二人の関係に昏い影を落とします。
ヒロインと復縁するためにも、自分たち兄妹の出自であり今なお人生に影を落とし続ける、父親との決着を決意するが…
今巻は父親との決着を少し先延ばししつつ、主人公とヒロインの復縁の余波、そして主人公の妹がクラスメイトと付き合いだしたことの余波について。
多かれ少なかれみんな幸せになりたいけど、多化され少なかれ勇気がなかったり不器用だったりして、上手くいかなかったり誤解されたり理解されなかったりする様子が描かれます。
特に主人公は、ヒロインと付き合う上で(主にヒロインの)周囲から言われたようなことを、今度は自分が口にする羽目に。
いずれも、主人公が懸案となっている父親を赦すにあたって援用される理屈・伏線のようにも見えますね。
みんな幸せになりたいし、でもちょっとずつ上手くいかないし、人間誰しも大事な人間を守る時には慎重に保守的になるもので、言ったり言われたり、あくまで相対的なもの。
魂の叫びだw
自分は「父親とさっさと絶縁しろ派」ですが、漫画の性質上、主人公の父親も救済の対象におそらくなるんだろうと思います。
自分は、主人公の父親が今の「自分自身を救済するつもりのない人間」のままでいるのであれば、その救済を「その子どもである」というだけの理由で主人公に背負わせるのは大反対です。
もう「少しは我が子に親らしいことをしてやれよ」なんて出来もしない贅沢は言いませんが、せめて自分の人生を自分の足で立とうとしないなら、まだ若い主人公たちの人生の文字通り「お荷物」にしかならない。
それにしても、巻数を重ねて悩んで傷つきながら経験を積んだせいか、
至言だな。
主人公とヒロインの言葉がだんだん名言集になりつつありますねw
aqm.hatenablog.jp
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