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#部長は少女漫画家 1巻 評論(ネタバレ注意)

竹井エレクトロニクス(株)第二営業部 第一課の課長・白崎翔は、史上最年少で課長に抜擢されるなど将来を嘱望されていた。

社長の方針で副業に非常に厳しい社風の中、しかし白崎は

『部長は少女漫画家』1巻より(古都かねる/西村マリコ/講談社)

密かに少女漫画家を目指してペンネーム「羽月メリー」として日夜原稿に向かい商業少女漫画誌への投稿に励み、ついに念願叶って少女漫画誌の連載を勝ち取った。

それは、上司であった部長が副業バレで左遷、その後任として新たに部長に抜擢されたのと同じ日だった…

という、隠れ少女漫画家の若き部長のドタバタコメディ。バブル風に言うとヤンエグ少女漫画家。「ヤンエグ」知らない人はググりなさい。

『部長は少女漫画家』1巻より(古都かねる/西村マリコ/講談社)

原作担当は現役の会社員、作画担当も会社員時代に副業で漫画を描いていたという、「経験は肥やし」を地でいくコンビによる作品。

少女漫画家・羽月メリーの熱狂的ファンを自認し公言する新入社員、隠れ少女漫画家であることを隠してコソコソする白崎の不正を疑うライバル課長、社員の副業を許さない社長。

『部長は少女漫画家』1巻より(古都かねる/西村マリコ/講談社)

そんな環境で白崎は管理職として学び、漫画家として学び、そして初連載の1巻発売にまでこぎつけるのだった…

コンセプトは全然違いますが、ゴツい男子高校生の少女漫画家の『月刊少女野崎くん』とカブ…全然カブんねえなw

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『部長は少女漫画家』1巻より(古都かねる/西村マリコ/講談社)

千代ちゃん真顔でなんてこと言うのw

出オチっぽいようでいて、「管理職と少女漫画家の両立」の日常のディティールの回転にこそ、本領があるような気もします。

そこまで深掘りして描かれているというわけではないですが、よくある「会社員経験のない漫画家の書いた会社員生活」の嘘っぽさも、今のところあまり感じません。

多かれ少なかれ「仕事」というのは業種が違えど共通するところはあるもので、管理職としての学びが少女漫画に活かされ、少女漫画家としての学びが管理職に活かされ、という相乗効果がわかりやすく描かれます。

『部長は少女漫画家』1巻より(古都かねる/西村マリコ/講談社)

そういえば『野崎くん』では野崎くんが「なぜ少女漫画を選んだのか」が確か未だに語られていないような気がするんですが(それでも面白く回ってるので必ずしも必要だとも思いませんが)、こっちの作品はいつか語られることがあるんでしょうか。

少女漫画好きで「羽月メリー」ファンの新入社員女子とのウッキウキの交流、「少女漫画ファン」という必然性の他、作品自体は青年誌系ということもあって(?)若い女が配置されますが、下手に年の差ラブコメに持って行こうとせずに作家とファンのピュアな交流(?)に徹して描かれていて好感が持てます。

何より白崎が両方の仕事のどちらも手を抜くことなく真摯に取り組んで、その上で艱難辛苦を乗り越えて少女漫画誌連載や単行本の発売に男泣きする感じ、

『部長は少女漫画家』1巻より(古都かねる/西村マリコ/講談社)

苦労を共にしたわけでもないのに、なんでか読んでて「謎の感無量」感があって、良いですよねw

 

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