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#ローカル女子の遠吠え 10巻 評論(ネタバレ注意)

勤勉ながらデザイナーの仕事に適性を見出せず、東京から地元の静岡にUターン転職した有野りん子(27)。

仕事をバリバリこなしメロンパンも肉まんもバリバリ食って「メロンパンはそんな音しない」と周囲を心配させる学級委員長タイプの女を待っていたのは、東京と地方の価値観のギャップと懐かしい「しぞーかあるある」だった。

なんだか可愛い静岡ご当地社会人4コマ。

『ローカル女子の遠吠え』10巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

気がついたら登場人物がすごく多くなりましたけど、キャラ立ってるので覚えやすいし忘れても読んでるうちに思い出せる上に、極端な話その辺に置いてあった「まんがタイム」を手に取って初見で途中から読んでもちゃんと面白い、というザ・4コマ漫画。

ご当地あるあるネタと、個性的な登場キャラたちの絶妙なミルフィーユ?アルマーニ?マリアージュ?トリアージ?的なそういう感じです。

主要キャラはおおよそ立派な社会人のアラサーたちで「女の子」「男の子」って歳でもないんですけど、女の子も男の子も読んでてみんな可愛いんですよねw

この漫画目当てに「まんがタイム」の電子書籍定期購読始めてしまった。

『ローカル女子の遠吠え』10巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

ギャグコメの「系」としてはシュール・ナンセンス系ではなく、「(静岡/社会人)あるある」を絡めてボケてきっちりツッコむ、クラシックでオーソドックスなスタイルですが、「オチのためのフリ」を全然感じさせない、滑らか・スムーズな前フリからのオチへのライン。

「ネタ強」というか「ストロング・スタイル」な面を持つ作品。

ですが、そんな漫画家の先生には不本意な褒め言葉かもしれませんが、「キャラ漫画」「萌え漫画」として最強に強まってもいる作品。

「子ども向け」に端を発して「少年少女向け→青年向け」と客層を拡げてきた経緯や、現実時間が経過しても「キャラが歳を取らない」ことも可能なメディア特性もあり、漫画におけるヒロインポジションを10代の少女に求めるのは、今でも定石です。

が、本作のヒロインたちは一部を除いて、いずれもアラサー。

『ローカル女子の遠吠え』10巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

が、その一人一人がまるで四番打者ばかりを集めた打線のように、チャーミングなヒロインばかり。自分がこれだけ全部のヒロインを好きになる漫画はちょっと記憶にありません。

漫画好きに伝わりやすいように喩えると、『GS美神』ルシオラと『超電磁砲』御坂美琴と『Re:ゼロ』レムと『ぼく勉』真冬先生と『僕やば』萌子と『めぞん』響子さんが、一作品で共演しているかのような、しかし日常・あるある・コメディ・4コマな漫画。

必ずしも「感情移入」「共感」によるものとも限らない気がするんですよね。

それぞれが「客体」としてすごくチャーミングで可愛らしい。

『ローカル女子の遠吠え』10巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

かわよw

漫画読んでて「ヒロイン全員好き!」とかあります? 自分初めてな気がするんですけど。諸星あたる状態。

今巻で二桁の10巻到達、あとがきによると作者のキャリアハイ更新とのことです。

近刊で顕著に思うのは、1巻の頃は「古い価値観」「井の中の蛙」「向上心のなさ」の象徴、イケメンと結ばれて寿退社目当ての腰掛けOL、メインヒロイン・りん子さんが否定する対象として描かれていた桐島さんが、めっきり「それもまた愛おしいキャラの一人」として可愛く描かれるようになりました。

『ローカル女子の遠吠え』10巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

作者自身が1巻の頃と比べて明らかに桐島さんに愛着湧いてますよねw

自分は漫画メディアが好きなので、好きな漫画作品がアニメ化されても「おー」と思いはしてもアニメ自体は視聴しないことが多いんですが、

「『ローカル女子の遠吠え』百巻の計」

のために、ぜひアニメ化してもっと作品の知名度を上げて欲しいなと思います。

俺が、100巻まで読み続ける、そのためだけに!

『ローカル女子の遠吠え』10巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

なにこれ可愛いというか、もはや愛おしい。

はー。俺も静岡に左遷されて彼女ら彼らの人間関係の日常の輪に加わりてー。もうそういう夢小説でも描こうかな。

 

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