迷宮の主"狂乱の魔術師"によって竜にされた妹・ファリンを追って、冒険者ライオス一行が途中で倒したモンスターを美味しく調理して食べながら下層を目指してダンジョンを進んでいく、RPG世界観の空想グルメ・ファンタジー。
メンバーの顔www
変わり種ファンタジーの中興の祖?「モンスターを料理して食う」というインパクトが強く、またそれが話題になって1巻出オチみたいなブレイクの仕方をした作品ですけど、もともとこの作者の持ち味はストーリーテラーなとこだったよな、といつの間にかストーリーも佳境に。
激闘の果てに迷宮の主"狂乱の魔術師"を倒したライオスたち。しかしそれはカタストロフの始まりだった。
ライオスの顔www
流れで新たな迷宮の主となってしまったマルシルの、"狂乱の魔術師"を遥かに凌ぐスケールの夢・野望・欲望。
「マルシルの夢」+「有翼の獅子の習性」が、エヴァを手に入れた碇ゲンドウもかくやという、ザ・セカイ系。
13巻と、この最終14巻が同日発売。
キングメイカーとして「迷宮の主」を立てその欲望を源泉に肥大し、ダンジョンを脱して世界を喰らおうとする悪魔「有翼の獅子」と対峙し、見事これを退けたライオス。
冒険の終わり、最後の大仕事。
最後の最後まで『ダンジョン飯』、おかしなものを料理して、食ってましたねえw
欲を欲のまま赦し、自らもまたいつか誰か(何か)に食われて生命と食の輪廻に加わり繋がることで、殺して食うことの罪もまた赦されている。
現代日本では多くの人は死ぬと火葬に付され骨壷が墓に納められるため、私自身が「いつか誰か(何か)に食われる」実感が今ひとつないんですが、ちょっと土葬や鳥葬、もしくは「遺灰を〜に撒いてほしい」と言う人の気持ちが、少しわかった気がします。
全然この漫画と関係ないけど、このシーンを思い出しました。
いつ見ても良い句だな。
いつか死ぬこと、それまで生きること、そのために食べること。
ラスボスとの決着がついて緊張が緩和され、この作品らしくコミカルな最終巻ですが、ただ「良いエピローグだった」で片付けるには含意に富みすぎる、「生命への」というよりは「生命が巡る営為への」愛おしさに満ちた描写。
なによりこれ以上ないハッピーエンドの大団円。
みんな大好き自分も大好きカップリング要素とかも、ちょっと「おっ!?」と思わせる瞬間もありつつも、奥ゆかしく。
彼らがその後の人生をどう送ったのか、まるで「空想する楽しみ」を空想上手の作者からお裾分けしてもらったかのような、良いエンディングでした。
漫画が描けたら「アフター『ダンジョン飯』」で日常4コマの同人誌を描きたいわw
連載が始まったのは2014年2月とのことで、足掛け10年弱。
長い間お疲れ様でした。
とっても楽しかったし、次回作もとっても楽しみにしています。
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