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#Get truth 太陽の牙ダグラム 3巻 評論(ネタバレ注意)

SC152年、2つの太陽を持つ惑星デロイアは植民星として地球から支配され、搾取され、差別され、虐殺されていた。

地球連邦の横暴と圧政に対し、デロイア人の間で自治独立運動が勃興、武力闘争を開始し、泥沼のゲリラ戦を展開。

『Get truth 太陽の牙ダグラム』3巻より(太田垣康男/高橋良輔/小学館)

地球連邦、体制側の大財閥で政界の重鎮を兼ねる地球・カシム家の御曹司クリン・カシムは、惑星デロイア現地の惨状を見かね、薔薇色の将来を投げ捨てて現地ゲリラに身を投じる。

クリンは、武闘派ゲリラ組織「太陽の牙」の最強のコンバットアーマー「ダグラム」のパイロットとして、故郷である地球に銃を向けた…

という、重厚なハードボイルドSF戦記。

『Get truth 太陽の牙ダグラム』3巻より(太田垣康男/高橋良輔/小学館)

一昨年、TV放送40周年を迎えたTVアニメ『太陽の牙 ダグラム』のコミカライズ。

 

www.dougram.net

ja.wikipedia.org

コミカライズは『FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE』、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』など、ロボットもののシリアスでハードでハードボイルドなコミカライズに俺の中で定評がある太田垣康男。

『Get truth 太陽の牙ダグラム』3巻より(太田垣康男/高橋良輔/小学館)

太田垣のバタくさい絵柄がフルカラーで更にバタくささが増して、画面の雰囲気が洋コミみたいですが、セリフが横書きでふきだしもそれに対応しているなど、小学館はこのコミカライズに相当自信があるのか、完全に世界輸出仕様。

デロイアの自治独立運動は指導者・サマリン博士のもと大きなうねりを見せてついには「人民解放政府」を名乗るに至り、地球連邦政府に自由と独立を懸けた戦いを挑む。

『Get truth 太陽の牙ダグラム』3巻より(太田垣康男/高橋良輔/小学館)

クリンが所属するゲリラ組織「太陽の牙」も「人民解放軍」に編入され、地球による搾取の象徴である超巨大掘削機「ホライゾン・メーカー」を殲滅するべく大規模な作戦に参加。

その裏では、クリンの生命を狙うカシム家の実兄たちが雇った刺客や、彼らにクリンの情報を売る解放軍幹部の内通者が跋扈し、作戦の最中、クリンが駆るダグラムは戦局をよそに超長距離スナイパーと猟犬部隊によって執拗に付け狙われる。

そして地球では、地球連邦政府の事実上の最高権力者にしてクリンの父親であるドナン・カシムを暗殺するべく、自爆テロが決行された…

という3巻。

『Get truth 太陽の牙ダグラム』3巻より(太田垣康男/高橋良輔/小学館)

見応えのある大規模戦闘と見応えのある陰謀劇が、回想を交えながら同時進行。

原作が天安門事件より以前の作品ということもあり、主人公たちが所属する組織の名前が「人民解放軍」と、イメージがクッソ悪い名前になってしまっていてちょっと笑ってしまいましたw

大規模作戦の成否をよそに繰り広げられる、クリンのダグラム VS トラビスとアウラの復讐者コンビ、の行き詰まる超長距離狙撃とその裏をかく駆け引きの死闘。

殺し屋たちの後ろで糸を引く、地球連邦の新たな支配者、その背景となる人生。

戦勝と解放に湧くデロイアの都市・ドガ市だったが、更なる戦乱の予感が漂う…

『Get truth 太陽の牙ダグラム』3巻より(太田垣康男/高橋良輔/小学館)

ラスボスの地位が、どこか親子の情を捨てきれない父親ドナンでもなく、無能を晒す兄たちでもなく、有能・冷静ながらドナンに心酔しクリンへの敵意に燃える愛憎を抱えた懐刀の男に移ったことで、なんというか、よりタチ悪い展開に続きそうだなあ…とw

 

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