#AQM

あ、今日読んだ漫画

#瑠璃の宝石 5巻 評論(ネタバレ注意)

アニメ化決定とのことで、おめでとうございます。

rurinohouseki.com

一見、地味でメディア化敬遠されそうなこの作品を選ぶとは、お目が高い(えらそう

『瑠璃の宝石』5巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

アクセサリーショップで水晶のアクセサリーに身惚れた女子高生・瑠璃は、母親に小遣いの前借りをせびるものの断られる。

母親が断る口実に言った「水晶なんて爺ちゃんが山菜採りのついでに山で拾ってた」を真に受けた瑠璃は、バスの終点の山奥に一人分け入るものの、どうすればいいかわからない。石を抱えてうずくまる瑠璃に声をかけてくれた女に、瑠璃は意を決して尋ねる。

彼女、鉱物研の大学院生の凪は、こともなげに水晶が取れる場所を告げ、瑠璃の頼みを聞いて案内をしてくれる。そこには巨大な水晶鉱床が広がっていた。

から始まる、ガール・ミーツ・ガールで鉱物採集をテーマにした、ハルタらしいニッチな趣味・学問もの。ややコメディ寄りの専門ジャンル漫画。特に百合ではない。

『瑠璃の宝石』5巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

ガサツさん…

凪と水晶との出会いから、銭ゲバ気味に金目の鉱物を狙っていた瑠璃が、徐々に鉱物そのものの魅力と知的好奇心に目覚めていく。

高校生、大学院生、大学生の3人パーティに、委員長体質で鉱物研究者志願でヒロインのクラスメイト、今巻からガサツ系の登山好き女子が加わって、より賑やかに。

今巻は、廃部になった地学部の部室に遺った活動記録ノートに断片的に記された「水晶の木」を巡る探索。

『瑠璃の宝石』5巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

委員長体質の瀬戸さんは期するものがあるのか、「水晶の木」の探索を大学生たちに頼らず高校生組だけで行うことを提案する。

瀬戸さんは幼少期のトラウマから、自分の「石好き」が恥ずかしく周囲や親にも隠して過ごしてきていた…

相変わらず、NHK教育テレビの小学生向けの番組や学研の学習漫画並みに、地学や鉱石に関する雑学・うんちくが語られながらも緩く可愛らしいキャラのビジュアルや関係性、あとテーマ(謎)に挑んで一歩ずつ答えに近づいていく推理もののようなスリル、損得勘定抜きの好奇心と情熱で、萌えつつ微笑ましく知的なエンタメに。

『瑠璃の宝石』5巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

新キャラの大雑把ギャル・笠丸もゴルシみたいないいキャラしてますが、今巻はもう瀬戸さんですよね。

瑠璃のメインヒロインの座を乗っ取る勢いw

オタク、って呼んでいいのかなコレ、「好き」を貫く勇気と強さを手に入れる過程が、仲間との探索と連動して丁寧に描かれていて、ジャンル違いのオタクをも泣かせる普遍性というのか。

『瑠璃の宝石』5巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

ガサツさん…!

こう、キラキラしつつ素朴な知的好奇心や、探究心を自力で満たした達成感への共感と相まって、

「がんばれ、がんばれ」

「よかったなー、瀬戸さんよかったなー」

って、読んでるこっちのソウルジェムまで浄化されて心が綺麗になっていくような錯覚に陥ってしまう。

『瑠璃の宝石』5巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

瀬戸さん…!

アニメも楽しみですね。おめでとう、よかったなー。

 

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