#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#BLUE GIANT 2~4巻 評論(ネタバレ注意)

「芽が出て…頑張って…ふくらませて…けど、待っても待っても、咲かねんだわ。」

「これはオレのせいじゃなく…ジャズの限界なんだと…そして固くとざして…枯れた」

「とてつもなく小さい芽だし、時々しか咲かないが、咲いてんだ。
 お前はハナっから咲いてんだ」

高校を卒業、上京する4巻まで。

「紙から音出ないって…知ってる?」(1巻のあとがき)

紙の上でどう音楽と才能を描写するか、音楽を題材にした漫画は昔から数多くありますが、音楽描写の現在のスタンダードを確立したのは上條淳士の「TO-Y」だとされます。

聴こえない音は読者の想像に委ねて、演奏してる姿を描く、一緒に演奏している人間のリアクションを描く、観客のリアクションを描く、世間の評価を描く。

上條はもう一つ、「才能を見送る人間」を描きました。奇しくも映画「アマデウス」が日本で公開された年のことでした。

4巻を読んでなんか思い出しました。

「お父さんとでっかい兄ちゃんは、ビックリして、ナゼかうれしそうでした。
 彩花はちっとも楽しくありませんでした。」

「兄ちゃんの演奏を聴いて、彩花はハッキリ分かりました。
 もう、帰ってこないんだって。」

「兄ちゃんはもう帰ってこないんだ。」

 

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