「…おみかん食べる?」
「こ…この消しゴム い…いい匂いするよ?」
「…お前、俺たちのことバカだと思ってんだろ?
いっつも二人でキラキラした光線出しやがって
ったく、気付かねぇフリしてるこっちの身にもなれっての。」
東京五輪の女子ボクシング代表候補、インターハイ制覇の細マッチョでかっこよくて可愛い女子高生と、強さは今のところ中の下、公式戦未だ0勝の彼氏の男子高校生、の2人が主人公の青春ボクシング・ラブコメ。母校と地元の期待の英雄として(こっそり二人三脚で)東京五輪を目指す。
ややもするとボクシング漫画としても、ラブコメ漫画としても、1本の軸ではちょっとパンチが弱くて、2本の軸のコンビネーションで成立してる、みたいな見られ方をされそうな漫画なんですけど、この巻の試合観戦・初詣・クラスメイトの恋・修学旅行・スキャンダルの各エピソードで顕著で、まず青春漫画なんですよね。
作者にとって、彼らはボクシングする機械でもラブコメのための記号でもなく、まずそれぞれ1人の高校生で、だからこそボクシングにも恋愛にも関係ない高校生活のシーンがたくさんあって。
友人や先輩たち、表紙には載らない脇役たちの描写がとても素敵。
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