「愛ちゃん紅白に出たことありますか?」
「あるよ」
あんのかよ。
AKB的なグループで総選挙13位ながら握手会でファンに「キモチワルイ」つって炎上、追放されるように卒業した元アイドル、無表情クールで人嫌いの愛。
すみれの花咲く頃、宝塚的な歌劇団に付属する養成機関・音楽学校への入学を果たし、そこで出会ったのは長身と強い体幹を持ち天然で天真爛漫で天才肌の少女・さらさ。
10代半ばで人生を自分の意思で歌劇に投じた"強い"女の子たちの、清く正しく美しく、熱くてシビアな楽しい青春。
オーディションの後段、優等生の苦悩と鼻血、新年。本科生の卒業公演、そして卒業。さらさを襲った災い、愛の決意。番外編に本科生・リサ編。
見どころ盛りだくさん、それでも今巻はやっぱり「彼女」に尽きる。
たぶん、登場当初から決まっていたことなんだろうなーと思う。彼女ならそこにいれば夢を必ず叶えるだろう、と思う反面、夢を叶えた姿が想像しづらいパーソナリティ。強いキャラクターで作劇を強く牽引して存分に役目を果たしながら駆け抜けて行った。
彼女の、背中を遠く見つめる寂しそうな顔。一人の女の子に戻った泣き顔と笑顔。
またどこかで会えるといいなと思う。
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