

「けどさ空気読んでよ こっちはたった今仲間が死んだんだ
そういう時まであんたの偽善に付き合ってなんかいられないって
それくらい分かれよ」
城壁に囲まれた人間都市国家に攻めてくる自律戦闘機械群「レギオン」。彼らを迎え撃つのは白人種から差別され人間扱いされず城壁の外・「86区」に追い出された有色人種が搭乗する有人戦車だった。
戦場で死神と呼ばれる少年・シン率いる精鋭部隊「スピアヘッド」の少年少女たちと、ネカフェでストラテジーゲームをやるように指揮を下す立場ながら差別を憂い彼らに寄り添おうとする少女・レーナ少佐との、城壁を挟んだ無線通話でのみのコミュニケーションを描くディストピアSF。
差別されながら戦争させられて死んでいく少年少女たち、差別する側は徹底的に醜悪に描かれ、狭間で葛藤し煩悶し責められるヒロイン、と暗く重く胸糞悪い展開が続きます。終盤のカタルシスのための布石なのかなとは思うんですが、普通の連載だったら打ち切り心配しちゃうぐらい暗い、読み手に我慢の貯金を強いる作品。
心に刺さった棘が抜けるまでは離脱したくない作品なので、こういうときはある程度巻数出てるラノベが原作なのはいいな、と思います。
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