「目を覚ます時だ。お前はなんのために、サックスを吹いてる?
バンドメンバーやオレのギャラのため?だとしたら大間違いだぜ。
お前は、世界一のプレイヤーになるんだろ?起きろ。」
若き日本人ジャズ・サックス・プレイヤー宮本大のサクセス・ストーリー。ヨーロッパ編。
4人編成の多国籍ジャズバンド「NUMBER FIVE」を結成、ヘビメタデブのマネージャーも付いてボロワゴンで欧州を股にかけた貧乏行き当たりばったりツアー中。
ツアー中にレコード会社からCDデビューのオファー。ビルバオのスタジオに現れたのは職人気質のクールなドイツ人レコーディングエンジニアだった。
他、ツアーの終わり、日本からのオファー、リーダーとしての決断、ロックフェスのオファー。
順調に回ってるようで、バンドと金、メンバー各自の成長スピード、ネームバリューなど、バンド解散の予兆、各自の葛藤の機微がほの見える。「音楽の方向性」が同じでも「走る速さの違い」もあるよね。
「…寂しい」
青春の只中にいると永遠にも思える仲間との時間は、後から振り返るとあまりにも短く、だからこそ黄金のように美しく。
なにかユニコーンの「すばらしい日々」が聴こえてくるような。
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