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#GIANT KILLING 53巻 評論(ネタバレ注意)

架空の日本と世界を舞台にした、監督が主人公のプロサッカー漫画。「Jリーグ」ではなく「リーグジャパンフットボール」、チーム名も選手も架空。

日本代表のアジアカップ編、本来の舞台の国内リーグから離れ中東を舞台に準決勝のオーストラリア戦。

 

この新刊に最初についたAmazonレビューを参考にリンクします。DISですが、ごくまっとうな批判だと思います。

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学校やクラブを舞台に始まっても日本代表編に入るや否やそれ一色に染まってしまうというのは、Jリーグ以前の「キャプテン翼」からJリーグ創生期の「俺フィー」「Jドリーム」などに至るまで、近代サッカー漫画の常です。

ちなみに代表編が終わると、主人公は海外に旅立って作品が終わります。もちろん「VIVA! CALCIO」など、例外もたくさんあります。

この漫画は主人公がクラブの監督(=日本代表に選ばれない)であること、弱小クラブの逆襲を表すタイトルであること、序盤から選手だけじゃなくスタッフやサポのドラマも描いたことで、特にJリーグの理念に賛同してクラブチームにシンパシーを持つサッカー好きに「主人公は監督の達海というよりクラブETU自体が主人公の群像劇」「今度こそクラブ一丸の熱い戦いがメインのサッカー漫画が読める」と期待が大きかったんですよね。

 

ところがシーズン終盤、優勝争い残り4節という良い所で47巻以来今巻で7冊目、日本代表編に入って話がクラブチームに帰ってこず、主人公の達海も随分長いことTVで代表戦を観ているだけです。

その反動と、連載開始時に予想だにしなかった「50巻かけても1シーズンが終わらない」構成のせいで、止むを得ない批判かなと思います。

たぶんこのシーズンが終わると同時に完結だと思うので、W杯予選やW杯で300巻になったりはしないと思うんですが、ならばこそ尚更「アジアカップにここまでかける?」という気はしますよね。

一旦シーズンをちゃんと終わらせ完結させて、数年後を舞台にW杯予選〜W杯編を続編作品としてリブートしたほうが良かったんじゃないか、とか。それなら達海だって日本代表監督にできるし、とか。

私も自分は読みはしますが、そもそも50巻という巻数は他人にはとてもじゃないけど勧められません。

 

ただ、休むことなく最新話を供給し続ける作者の勤勉さと誠実さは疑う余地がなく、また作品コンセプトに関わる背景や前提を忘れて「ただのサッカー漫画」「ただの日本代表漫画」として読むと、試合の流れや駆け引き、選手のメンタル描写、ここ一番の魅せばのカタルシスなど、この巻もやっぱり面白いんですよね。

倫理違反がない限り最終的には漫画は「面白いが正義」なので、思う存分描いていただければと思います。

当然、面白くなくなったり、つきあいきれなくなったり、自分が病気や事故や寿命で死んだら、読むのをやめますが。

 

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