19世紀の中央アジアを舞台に、エピソードごとに主人公が移り変わる「夫婦」「嫁入り」をキーワードにした群像劇として続いて10年目の12巻。
見てきたかのように当時の文化の活き活きとした描写し、衣類やタペストリーの刺繍類の変態的なまでに美しい精緻な書き込みが特徴。
今巻の前半は過去に登場した主人公たち総出演でテーマは「ヒマ」。日々の暮らしの中でポツンと発生したヒマな時間の過ごし方。
後半は、主人公というか狂言回しのイギリス人旅行者・スミスが伴侶を得ての旅の復路で再びペルシアへ。
そこだけ作画のタッチが違う、7〜8巻で姉妹妻になった百合っぽいアニスとシーリーン再び。今回はスミスの妻となったタラスとの交流。男子禁制につきスミスは再び蚊帳の外。
超絶描き込みの見開きページでペルシャ絨毯に寝そべってお喋りする美女3人、飾り窓から漏れる光を浴びる美女3人。ベルばらでもこんなに描かねえよってぐらいコマの周りに花咲いてるw
今どきの写真の方が高精細で総天然色なのに白黒で描かれた手描きの絵になんでこんなに目を奪われてしまうんでしょうか。
写真といえば、なんの思い入れもないド脇役の巡礼者の爺さんが泣くシーンがグッときた。
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