「ははは 見ろ俔
宮殿が目の前で壊されてるのに まだ連中は殺し合ってる
こんな場所もう無くしちゃって構わないよな
「…阿紫 阿紫はそれでいいでちゅか」
「いいさ ここが無くなればもう誰も苦しまない」
古代中国で千年生きた九尾の狐・廣天たち精怪(妖怪)と人との交わりをコミカルにシリアスにロマンチックに。ジャンルレス。
普の皇帝の勅命により行われた妖狩りに捕らえられ、危ういところを中書令・張華や仲間の精怪たちに救われた廣天。
冥府の使者・渾は、皇帝の裏での冥府と妖狐・阿紫の暗躍に気づき、そのことを廣天に伝える。
命の恩人で育ての親でもある阿紫の真意を探る、廣天の新たな旅。人を精怪たちの交わりを目にしながら阿紫の足取りを辿る旅の果てに出会った鼠は、千年遡る昔の春秋時代、妖狐・阿紫と、廣天の母親・陽の交わり、そして廣天の誕生について物語った。
楽しくもどこか哀しい、人と妖の交わる逸話の数々。
鼠が語る、小国と陽と阿紫にまつわる顛末。謎だった阿紫の暗躍の動機。
野を行く鼠の泣きながらのセリフなしの回想が哀しい。
「全てを壊そうとしていた阿紫さまを
最後に食い止めてくれてありがとう 俔さま」
次巻、阿紫と対峙とのこと。
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