「山の中は初めてがいっぱいで
まるで住む世界が違うみたい
けれどこれは同じ世界の景色
この景色はいつもここにあり
人の営みとは関係なく
ここに来ればいつもある
望んだのだ
見る事を私たちが望み
歩いて来た」
伝統の三多摩大学山岳部は人数不足で廃部の危機に瀕していた。部員は3年2人、2年1人のわずか3人。
新入生で見学に来たのは、秋田生まれの運動嫌い、長野生まれの虚弱体質、北海道生まれの読書好きの3人の少女だった。先輩部員たちはなんとしても逃がすものかと、正式入部に向けてあの手この手で勧誘する。
全然ユルくない登山をHARTAコミックスらしく文学的にハイテンションに。「登山漫画」というより「登山部漫画」。
今巻は多摩川水流を遡上して雲取山で新入生初の1泊登山。
初めての2,000m級山頂登山、初めてのテント、二度目のキャンプ料理、初めてのキャンプ朝食、山頂からの日の出。
メガネっ娘の南部の独白が初心者の登山の喜びをよく表してて良いね。
その他、毎巻恒例の上級生組のハードなクライミング編、夏のアルプス合宿に向けた南北戦争など。
ゴリラヒロイン、黒木の意外な危うさも明らかに。
「岳」のように時に山の危険性を周知するのも登山漫画の役割の一つとはいえ、この作品のキャラたちは安全に完結まで登山を楽しむことを全うして欲しいと思ってしまいますね。
aqm.hatenablog.jp