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#天気の子 3巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

大ヒットアニメ映画「天気の子」のコミカライズ。自分は劇場版を観に行ってBDも買って複数回観た人です。

異常気象で雨が降り止まなくなった東京。雨雲の間から海に注ぐ一片の太陽の光に惹かれて、家出して上京した高校生の少年・帆高は、祈ることで雨を止ませる能力を持つ少女・陽菜と出会う。2人は依頼に応じて晴天を提供する「晴れ女」の仕事を始めるが、陽菜の能力はやがて悲劇を呼ぶものだった…

というボーイ・ミーツ・ガール。全3巻の3巻、完結巻。

晴れ女の力を使い切った陽菜は空に召され、帆高の目の前から姿を消した。残った帆高たちは警察に保護される。一人真実を知る帆高は警察の手を逃れ、陽菜に力を与えたあの神社へと走る。

このコミカライズらしく最後まで劇場版に忠実な漫画化。絵のクオリティも必要十分。

クライマックスでは自然と脳内にBGMが流れます。だったらアニメでよくね? という気もする。あの美術と音楽はやっぱすげえかったんだねえ。

反面、最終盤の人物の心理描写、端的に言うと空白の3年間の帆高の心理はこちらの方が言葉で詳しく語られます。映画では存在しなかったタイトル回収も須賀の口から。

あと佐々木さんが災難でした。

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「天気の子」3巻より(新海誠/窪田航)

ただこうして見ると終盤にあたるこの巻、陽菜の出番とセリフ、こんなに少なかったんだねえ。ボーイ・ミーツ・ガールからの囚われの姫の救出劇ですけど、この辺が帆高の独りよがり感・暴走感の印象を強くして、批判の一旦になったのかもしれない。

あーあと、あのヤな感じに屈折したリーゼントの若手刑事の最後の、消沈したような、なにか達観したような目が印象的だった。あれはどういう演出意図なんだろうか?

良いところも悪いところもほぼ映画に準拠、映像を何度も観てしまったのでどうしても映画との比較に重心が行ってしまって、虚心に漫画を読めなかったですが、初見でこれ読んだらどう思っただろうか。頭ぶん殴って記憶消せねえかな。

オリジナル要素こそ薄かったものの良いコミカライズ、良い作画だったので、窪田先生の次回作も楽しみにしたいと思います。

 

天気の子(3) (アフタヌーンコミックス)

天気の子(3) (アフタヌーンコミックス)

 

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