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#HGに恋するふたり 2巻 評論(ネタバレ注意)

同じ作者の2巻が1巻に続いて別の出版社から同時リリースということに。

会社員の神崎(30♀)は中学生の頃に「ガンダムSeed」でガンダムの魅力に取り憑かれ、ガンプラも作ってみたかったが親や周囲の「女の子なのに恥ずかしい」という抑圧から手を出せないまま大人になった。

ガンダム好きを隠しつつ会社員としての日常を過ごしていた神崎は、路上でぶつかった女子高生の紙袋から覗いたガンプラの箱に思わず「ストライク…」と呟いたことがきっかけで、女子高生・高宮宇宙(そら)と知己になる。宇宙は模型屋の娘で、モデラーで、ガノタだった。

宇宙と連絡先を交換した神崎は、彼女を介してかつて愛したガンダムの、魅惑のガンプラの世界に飛び込んでいく…

という、「ガンダムエース」連載で版権もバッチリ!なガールミーツガールでホビーな趣味もの。

第3のヒロイン、凄腕モデラーの白髪ツインテが本格的に登場。

展示会に行った神崎と宇宙はお目当ての出来物フリーダムの前で足を停め、製作者として会場にやってきた白髪ツインテの女子高生モデラー・桃香と再会する。だが会場に母親の姿を発見した桃香はこそこそと会場から立ち去ろうとしていた。

耽美で重苦しかった前作「木曜日は君と泣きたい。」からガラリと変わった作風の漫画描くんだな、と1巻読んだときは思ったんですけど、世間や親からの抑圧と、そこからの解放をテーマにしてるとこは一貫してんだな、という印象。

同じガンプラ好きでも育った環境の違うヒロイン3人のガンプラに対するスタンスが三者三様で面白い。

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「HGに恋するふたり」2巻より(工藤マコト/ KADOKAWA)

前作は女装男子と同性愛、今作は「ガンプラ女子」がモチーフですけど、世間から見た「変」を抱えて生きるってのはオタクに限らず誰しも多かれ少なかれ身に覚えがある普遍的なテーマで、思春期に「普通でなければいけない圧」の呪縛から逃れるのは大変だよねーという。

特にガンプラみたいに独りでできちゃう趣味はきっかけがないと視界が開けるの結構難しいですよね。おじさんおばさんになると世間の目なんてだんだん気にならなくなるもんですけど。

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「HGに恋するふたり」2巻より(工藤マコト/ KADOKAWA)

今巻は恐れていたその親からの抑圧自体が拍子抜けするほどの幻だった、自分が勝手に生み出していた幻の抑圧だったってのもちょっと面白かったです。別の事例と重ね合わせるといかにも毒親っぽく見えてても、その親にはその親の事情があって、抑圧したいわけでも、してたわけでもなかったっていう。

ただ「父親に会ってるわけではなかったからセーフ」で、それでいいのかしらね、という気がせんでもない。父親もガンプラ好きらしいので今後の伏線なんかしらね。

 

HGに恋するふたり(2) (角川コミックス・エース)

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