ファイブスター物語、連続掲載継続中。
「第6話 時の詩女 アクト4-4 カーマントーの灯火 Both 3062」。
扉絵なしで13ページ。
他の号はこちらから。
aqm.hatenablog.jp
以下、余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。
(宣伝)
同じ80年代由来の作品ということで。
永野護が「エルガイム」でクリエイターデビューした年に連載が始まった作品。80年代当時のアニメ誌のキャラクター人気投票・女性キャラ部門では、ナウシカと音無響子と鮎川まどかが非常に強かったですね。
aqm.hatenablog.jp
自分も鮎川大好きでした。
まつもと泉先生のご冥福をお祈りします。
(余談)
あれ、前号も表紙は鬼滅じゃなかったっけ?と思ったんですけど、よく見たら前号の表紙に「2号連続『鬼滅』表紙 第1弾!」みたいなこと書いてたんですね。
こないだふざけて
b.hatena.ne.jp
PV増えるかなと思ってブログの名前を一時的に「鬼滅のAQM」に変えてみたんですけど、
あっという間に主力ワードの検索順位が低下して慌てて元に戻しました。
なんか5chのFSSスレとかTwitterとか見てたら、今号は公式の定期購読で11/7(土)には関西の読者に届いてたらしいですね。もともと角川は他社と比べてフライング発売に無頓着なイメージありましたけど(FSSの15巻の発売日もいい加減だった)、公称発売日より3日も早いとはw
自分がふだん入手してる経路より早いようなので次号から定期購読に切り替えようかな。申し込み、ここであってます?
store.kadokawa.co.jp
いま申し込んだら12月号がもう一冊届いたらヤだな、と思ったんですけど、「申し込み完了から10日後以降の発売号からお届け」とのことなので安心。
角川の人、見てますか! FSS読者1名、FSS目当てに御社の雑誌の定期購読始めますよ! ついでにブログでステマもしましたよ! 永野先生の原稿料もっと上げてください!
(扉絵)
なし。
(本編)
3062年、西太陽系小惑星群宙域。ドーマ連合に加わったSPK隊のダンダグラーダは連合の演習に参加中、救難信号をキャッチ。マグダルの脱出カプセルが連合に保護され、速攻でカーマントーの鉱山に売り飛ばされる。マグダルの覚醒に合わせ、スバース市ではデプレも覚醒の兆しを見せ、AKDではこれを検知した天照帝がボォス中に密偵を放つ指示を下していた。
「32年ぶりに意識が回復したマグダル。彼女を待つ過酷な運命とは!?」
(ニュータイプ2020年12月号より)
(所感)
「前号分までが16巻相当」と作者が発言していることから、今巻から17巻相当に突入ということに。
みんなさん、バインダーとかの用意はいいですか。
自分もサボってた16巻作りを片付けて、
17巻も作り始めました。
閑話休題。
「カーマントーの灯火」
章タイトル。「ともしび」と読むべきなんだろうと思います。
この章の展開は直近では2020年5月号の扉絵のメタテキストで「魔導大戦の中盤の〆のエピソード」として予告されています。
カーマントーは「ボォスのあたり」「鉱山」「ラキたちのお披露目の時にパーティで喧嘩してた貴族が領地争いしてたところ」として理解されてますけど、カーマントー自体が描かれるのは今回が初めてかな?
タイトルが「Both 3062」になってますけどボォス星とは別の惑星で、同じウェスト太陽系の第4惑星・カーマントー星です。「5つの星」にカウントされていない惑星。
「デザインズ3」の103ページが「惑星・カーマントーと出雲・アストロシティ」の解説になってます。これによると採掘星として徐々に独立・自治区化が進みつつはあるものの、フィルモア帝国、ロッゾ帝国、ウモス国家社会主義共和国などの列強に搾取され、「移民の自治区」として下に見られている、と。大気はガスに覆われ呼吸ができないため、ドーム都市やガスに浮かぶ浮遊都市を形成して人間が生活している、と。
件の扉の予告でも「カーマントー星の過酷な状況」と書かれています。
あとダイアモンド・ニューや、ミラージュのじゃーじゃー姫の出自にも関連する感じかな。
一方、「灯火(ともしび)」は「暗闇の中の明かり」として、絶望的な状況における微かな希望、転じて「反攻・革命の萌芽」の暗喩に度々用いられる言葉ですね。
ノイエ・シルチス全軍とセントリー全部が単なる迷子一人の救出に向かうとは考えにくい(だったら隠密作戦の方がいいと思う)ので、おそらく虐げられるカーマントーの難民や宇宙民の革命が描かれ、マグダルがその指導者として中心的な役割を果たし、この弾圧に(おそらくロッゾやウモスなどの枢軸国の)国家規模の武力が用いられ、それに対してフィルモアなどが介入する話になるんじゃねえかなと思います。
件の予告ではマグダルの他に「フィルモア帝国の恐るべき陰謀」「ミース」「ハイト」「三条」「ヨーン」の名前が挙がり、「終盤に向けて急展開するごった煮のエピソード」とされています。
星団歴3062年
件の予告では「年代は3060年に飛び」、デザインズなどでも「マグダルとデプレの覚醒は3060年」とされていましたが、2年ズレて3062年になりました。3060年、3062年のいずれも、恒例の単行本巻末年表には最新15巻でも何も記載がない年です。
がっ!
「デザインズ4」の130〜131ページ、「ジョーカー星団人類と地球人の年齢対比」としたページがありまして、色々なキャラの個人年表が掲載されています。関連するトピックを一部抜粋します。
3037
・シャルデファーで不思議の国のラキシス状態(前号まで)
3060
・マグダルとデプレ、目覚める。
(→今号で3062に変更)
・ベルベット・ワイズメル誕生。
(「ベルベットの生年は推定」と注釈あり)
3068
・ダイ・グ、天照と会う。
・ちゃあ、ジーク、魔導大戦復帰。
3069
・クリス、エンペラーズ・ハイランダーになる。
・ヨーン、ミラージュ騎士団加入。
・アイシャ、ミラージュ騎士引退。
・エスト、天照家に。
3070
・ワスチャ、コーダンテ家当主に。
・桜子、天照家ガーランドに。
3075
・クリス、ミノグシア解放戦線、カーマントー解放に参戦。
・魔導大戦終結。
・マキシ、剣聖に。
・マグダル、聖宮ラーンに入る。
・アイシャ、AKDを離れ隠居。
・ちゃあ、びっくり。 ←なにこれ
3085
・ちゃあ、もっとびっくり。 ←なにこれ
3100
・ボード死去
5月号の扉絵での予告や、「デザインズ4」の130ページの設定から、すでに微細なズレが生じているので、年表を見る上で注意しましょう。
マグダルとデプレの覚醒
→3060から3062に変更
カーマントー解放戦、「44分間の奇蹟」、バッハトマ攻囲戦、魔導大戦終結
→過去設定はすべて3075だと思われた?が、一部のイベントが3070に分離?
(前々号でルシファが「44分間の奇蹟」を「3070年」と言っちゃってる)
マグダル、デプレの覚醒と同年のイベントだった3060年の「マドラの出産(ベルベット・ワイズメルの誕生)」はもともと推定扱いでしたが、3060年据え置きか、今回の変更で3062年に一緒にずれたか?
正直、誤植も多い作品なので、意図がある小変更か、誤植なのか、読者にちょっと判断がつかないので、「単行本化時に確定」ぐらいに思ってた方が良いかもしれない。
GTMダンダグラーダ
名前はずっと前から出てたMH(GTM)ですが、ようやく登場。MH→GTMの大改編でも名前が変わっていないのは、宇宙都市の名前に由来するコードネーム扱いだからでしょうか? 宇宙特化型ということで、ドムに対するリックドムですね。
アイドラ・フライヤー(肩の盾)がバーガ・ハリとだいぶ形状が違って、なんかあの、マジンガーZが背負うやつ的な。
「90度回転するコックピットシステム」は、GTMが頭を先頭に「ウルトラマン飛び」する際、体躯の正面を向いてるコクピットが進行方向に向きを変えないと「(感覚的に)上に飛んでいく」「上からGがかかる」のを防ぐためのものですかね。
これ、Zガンダムなどの可変モビルスーツも同じ問題を抱えていて、モビルスーツ形態とウェイブライダー形態で機体の進行方向・正面が変わってしまう問題どうなってんだと長年議論になってた?んですけど、長谷川裕一が「全天周囲モニターコクピットは球形なので当然回転する」と答えを出してしまったように聞きます。
原理的には、いつだかのアルルのエンゲージとスクリティAトールがボォスの大気中を編隊飛行してたときも同じことができてた「はず」。
SPK隊
そもそもなんでミノグシア連合から離反してんだお前らって感じなんですけど。衛星軌道上から星都ベイジを攻撃するバッハトマの母船をお前らが牽制しないといかんかったんちゃうんか。
例えば日本国が分裂したとして、海上保安庁が「海の民」についた、みたいな感じでしょうか。「海の民」が誰だか知らんけど。
たぶん貧困と差別に苦しみがちな「宇宙の民」へのシンパシーからミノグシアから離れたんだろうと思うんですけど、宇宙難民圧政問題は大国もいろいろ複雑に絡んでるのでよくわかんねっす。
マグダルが詩女として立ち上がる時点で、水戸黄門効果で寝返ってマグダル側につくんじゃねえかな。知らんけど。
なんかイオタと激突するフラグを自分でビンビンに立ててますけども。
オロダムド・ハルとファティマ・アリエ
5月号の扉絵で登場済みの2人。まもるが好きそうな悪役顔のナイスガイでたぶんエコひいきされる人。今回さっそく「宇宙仲間(「船乗り」みたいなものか)」らしい倫理観を発揮。
支隊長なんでナルミやランドと同格の偉い人。2人と違ってミノグシアを離れる重大な政治的判断もしてしまっている。たぶんどっかで理由を激白とかすんじゃねえかな。
アリエはモラード・ファティマのNo11。宇宙戦中心ということでプラスタ。
多くのファティマはデカダンスタイルでの初登場からプラスチックスタイルに移行(その後アシリアとかに移行)したんですけど、おそらくこのファティマは最初っからプラスタを着せる前提でキャラデザされていて、プラスタを一番着こなしていて、プラスタ姿がとても可愛い。
ドーマ連合とオッカ総督
あんまり聞き馴染みのない勢力に、誰だお前。
「デザインズ4」の137ページの星団勢力表に、イオタ宇宙騎士団の下に載ってます。
正式名称は「惑星カーマントー・ドーマ連合」(なので「辞書的」には「わ行」です)、元首は連合議長バイラ・アーシュ。主力GTMはウモス国からライセンス提供される青騎士。
総督ってなんでしょうね。搾取する気満々でユーバーやスカ以来のやられ役キャラという感じ。この人は全然「宇宙の民」って感じでもないというか、むしろ差別する気満々なのね。
スバース市の面々
あまりお変わりなく。ミースもスバース市にいるのね。
ん?誕生から25年?経ってマキシはどこにいるんだろう。ミースとアウクソーが子育てしてんのかな。
マグダル
「そこはどこ?」はデプレってわかるんですけど、
「んー?」「きみ〜〜〜〜だれーー? 目どうしたの」は誰の声だろ。マキシかな。
漂流中に事故に遭わず無事だったのは重畳。視覚と聴覚の喪失はボスやん戦ですね。
前も書きましたけど、読者としてオタクとして堕落かもしれないですけど、苦境に落ちるにしてもどうかお手柔らかな描写でお願いしたいって思う。
カイエンの娘なんてもうダチの娘みたいなもん(違う)っつか、実質ほぼ俺の娘みたいなもん(違う)なので、自分の娘(違う)があんま辛い目に遭うの直視するのは正直おじさんもうしんどい。
サンサ・ホウレ監査官
ヤーボのイヤリングパクんな。はよヘアードとジャコーに見つかってゲロって○ねばいいと思う。(しんどいおじさんはどこへ
ただカーマントーを「詩女に見捨てられた星」と独白したり、出番多そうだなコイツ…最終的に「いい人」化しそう。
エフィーとボー
星典舎はナイスな納まりどころですけど、「橘組」ってなんだ? マウザー組ってこと? 花十字のⅡとⅢをつけてますが???
あといつもの女子高生化。
クニャジコーワ
出産おめでとうございます。子どもが長じて騎士になりそうな予感がぷんぷん。
育休じゃなかったら天照が2人分働かせる前提でワロタ。 1人でナカカラとスバース両方は無理だろw
ナカカラ
前述の年表を信じればダイ・グはまだ存命。天照もボォスに入りそうなので、そこで対面があるのかな。6年も後のことですが。
枢軸とフィルモアの出来レースの領地争奪戦はカリギュラが裏で糸を引いていて、そのフィルモア側の窓口がアドーとティルバーって感じか。
フィルモアはこの後、「天照との会談」「皇帝の崩御」「円卓の騎士の活躍」「新帝擁立」「エンペラーズ・ハイランダー」「全軍上げてカーマントー侵攻」と約束されたイベントが多いですけど、そのどさくさにアドーとティルバーが粛清されたりすんのかね。
ジークというかサイレンは粛清いやがりそうなので、「円卓の騎士」か覚醒クリスあたりの役どころかしらん。
動員されたその他のミラージュ騎士たち
マドラのあの「もう剣をとらない」はどう理解したらいんでしょうか。あとベルベットもう産んだんでしょうか。
「マドラが急行」して天照まで入るかもしれないイースト・カステポーは一体何があったんでしょう。地図で見るとスバース市もナカカラも遠くて、ヴァキシティぐらいしかないですけど。セントリー絡みか、デコースが死にかけてるとかかな。
(11/17 追記)
なるほどなるほど。ラーンだとフンフト、モラード、タワー(の育児の押し付けあい)絡み、マドラも絡むとマキシ(の育児の押し付けあい)が絡む可能性も微レ存か。
マドラ姉さん、下手したらマキシ、ベルベット、ショウメの剣聖級3人の育児をまとめて押し付けられそうな予感。
メンツ的には「モラードのミラージュ入り」「フンフトが天照とダイ・グの会談を仲介」もここで消化しようと思えばできる。
(追記終わり)
その他、アイシャ、マエッセン、ウラッツェン、バイズビスなど。マエッセンは「エイブ・ロウ」とか呼ばれてたけど結局「マエッセン」に戻ったのね。
ラキシスはどこにいんだろ。あれ以来、天照とは会ってんのかしらね。
その他
前号までの神々のアレはアレで壮大なんですけど、「オバケは年表も〜寿命もなんにもない!」という感じで読んでモノ考えるというかアレコレ妄想する余地があんまなかったので、やっぱ自分は騎士とファティマとGTM(MH)の物語が好きだな、と思いました。