いい表紙だ。
大学中退して親代わりで姉妹を支えて、気づけばバリキャリ編集者で酒豪で処女で最近インターンの大学生に口説かれ中の長女(29)。
派遣社員しつつ家事担当のお袋さん役で長女と一緒に家族を支えるも、転勤が決まってプロポーズされた彼氏とのセックスレスに悩む次女(推定25)。
男好きを自認する女子大生で子持ちのバツイチの喫茶店のマスターに片想い中も娘に続いて元妻登場で遠回しにフラれ気味な三女(19)。
大人に混ざってバンド活動・鋼の心臓で学校ではぼっちを貫くも最近友達できた家から独立を目指す音楽メガネJKの四女(17)。
四者四様の悩みを抱えながら名古屋の大須で暮らす4人姉妹の家族もの。
今巻で完結。
やー、地味な話でしたね。作品としてバズってるわけでもなく、なんで自分がこの作品読んでるのか、きっかけも憶えてません。って1巻の感想記事を見てみたら、「昨日の新刊からタイトル&表紙買い」だったそうです。
みんなさんは何きっかけで読んだんでしょうか。同じ四姉妹ものの「海街diary」の読後感に引きずられたような気もしますね。
巻の半ばで完結しちゃうんですけど、残り半分で気になる後日談も充実。
若い女性の生きる悩みに四者四様にフォーカスした作品でしたけど、割りと性善説とご都合主義で解決してしまったところもあっているので現に悩んでる人の参考になるもんではないと思います。悩みに光を当てることに意義があったというか。
あと設定の割りに、名古屋っぽさも大須っぽさもちょっと薄かったね。
1巻当初時点では四姉妹それぞれが悩みを抱えていて、結婚で実家を離れることになりそうな次女がキーマンで家族を繋いでる印象があって、「次女が実家を離れたらこの家族はどうなってしまうんだろうか」と思ったんですけど、結果、四姉妹は離れて暮らすことになりましたけど、少しの苦味と少しの寂寥を伴った、でもとてもポジティブな希望に満ちた、大団円と言って良い結末でした。
同時進行でタイミングを合わせて上手いこと畳んだもんだな、と思いますw
大傑作だとは思わないですし、話題の売れ筋の作風だとも思わないですし、自分が読者としてターゲット層だったとも思わないですけど、あのアレ、NHKで週一で夜にやってるドラマみたいに何年経っても「あんな漫画あったな」とじんわりと憶えているような、誠実に生きる人たちがきちんと報われる、地味な佳作でした。
こういうの、たまにふっと読み返したくなるんですよね。
aqm.hatenablog.jp
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