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#機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還 21巻 評論(ネタバレ注意)

記憶喪失ながら、一年戦争のジオンの超エース、ジョニー・ライデンではないかと強く疑われる主人公・レッドを軸に、ザビ家の遺産技術を巡って各陣営が入り乱れる宇宙世紀ものスピンオフ。時系列的には「ZZ」と「逆シャア」の間。

正史キャラもちょいちょい登場、近巻では「シャアの反乱」に向け暗躍中のシャアが大暴れ。「Twilight AXIS」主役2人も準レギュラー出演。

ガンダム世界の設定の矛盾にうるさいサンライズからお任せされてる感。

ザビ家の遺した兵器を巡る、地球連邦内のFSS(≒旧キマイラ)、ゴップ議長派、シャアのネオジオンの三つ巴の争いの、前々巻、前巻に続く前フリ巻。

話の縦軸としては一年戦争終結直前にジオン公国「キマイラ隊」に何が起こったか、と、記憶喪失の主人公・レッド・ウェイラインはあのジョニー・ライデンなのか、の2つの謎が軸で、更に地球もコロニーも滅ぼすことが可能な「ザビ家の復讐装置」と呼ばれる兵器の争奪戦が軸。

連邦内の2派+シャアがリブート中のネオジオンの、3つの勢力の争い。

なんですけど。

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「機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還」21巻より(Ark Performance/KADOKAWA)

絵も演出も非常にクオリティが高く、「ZZ」〜「逆シャア」の空白期間というチョイスも良くて、作品を通じて丁寧で重厚。ながら、作家の特徴として時に冗長で、正直退屈な巻も中にはあります。展開も情報の開示も長い巻をかけて小出しにします。

今巻は「ザビ家の復讐装置」を積んだまま無人で航行し続ける特殊ザンジバル「ミナレット」を巡る、おそらく最後の戦いになるであろう争奪戦の、因縁の宙域「ア・バオア・クー」への各陣営の出陣の様子をじっくりと。

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「機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還」21巻より(Ark Performance/KADOKAWA)

取ってつけたような小規模な戦闘シーンはありますが、まあ1冊かけて各陣営の出陣の様子や思惑がじっくりねっとり描かれます。

過去の作品の遺産と、今後の展開に対する予告編効果みたいなもんを食ってるだけの巻ではありますけど、それでも面白いのは困ったもんですね。

まだ正体が記憶喪失で謎に包まれていることもあって、相変わらず主人公・レッドの存在感が希薄というか、

サンライズからもらった「シャアを出していい券」をフル活用しているので、シャアの出番が他のスピンオフ作品と比べても非常に多いです。

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「機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還」21巻より(Ark Performance/KADOKAWA)

作品の本筋的には敵役&脇役なんですけど、相変わらず存在感がありすぎるのは困ったもんだな、と。

シャア、レズン、アルレット、ダントンあたりはまだ死なないことが、また「ザビ家の復讐装置」は使われることがなかったことが「史実」で確定していますが、それ以外のキャラの将来は不透明。

30巻すぎぐらいかなー、「ア・バオア・クー」編が終わるのは。単行本だとあと5〜6年ぐらいはかかりそうですねw じっくり待ちましょう。

 

 

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