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#ゲーミングお嬢様 1巻 評論(ネタバレ注意)

ジャンプ+でWEB連載されている、オマージュやパロディを散りばめ中毒性のある言語センスを伴った、基本ギャグコメディ進行の格闘ゲーム×お嬢様のゲーマー漫画。

shonenjumpplus.com

格闘ゲームとお嬢様は「ハイスコアガール」といい「対ありでした」といい、なんか相性よろしいですわね。

数ある「格ゲー×お嬢様」作品の中でも最もイカれた世界観設定の作品。

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「ゲーミングお嬢様」1巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

ご存知じゃねえよ。自信満々だなオイw

わざわざ作画担当を付けているにも関わらず、すごく絵が上手いわけでも美少女が可愛いわけでもないという不合理な建て付けですけど、世界観も話の展開も不合理なので全体として調和が取れているという、ツッコミどころの多いギャグ漫画のような作品。

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「ゲーミングお嬢様」1巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

雰囲気的には「とにかく負けたくねえ!」という格闘ゲーマーの生き汚く口汚い文化風俗を戯画的に誇張した上で、こちらも誇張したお嬢様文化とむやみに悪魔合体させた結果、

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「ゲーミングお嬢様」1巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

「便所に咲いた花」のようなわけのわからない逞しく美しい高貴さを獲得している。

ごめん、自分でも何言ってるかよくわからん。今のはなんか適当に書いた。

 

いろんなジャンルがあるオタク文化の中でもゲーマー、特に対人対戦に特化したゲーム、特に1vs1で対人対戦に特化したゲームというのは、今時「1vs1でどっちが強いか」を競う職業、スポーツ選手や棋士に近く、闘争に特化し求道的に技術を磨いている点で「eスポーツ」という文化が勃興するくらいオタク文化の中でも独特です。

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「ゲーミングお嬢様」1巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

 

対人対戦は常に敗北と隣り合わせで、高みに登れば登るほど賭けてきたもの、積み上げてきたものは大きく、挫折はより深く、のたうち回るように悔しく、

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「ゲーミングお嬢様」1巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

そこにあるのは「強さ」という唯一のアイデンティティ同士のぶつかり合いの中で、敗北を乗り越えて闘い続け自分の弱さと向き合い続けるタフな生き様です。

負けたくないと足掻く生き汚なさの中のタフな美学と闘争本能を、基本ギャグコメディ進行の中で熱く抉り出す漫画だなーと。

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「ゲーミングお嬢様」1巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

こんなわけのわからん漫画なのにすごい自信満々なのもいいですよね。しかもわけわからんのにキッチリ伝わってくるという。

 

1巻は割りと対戦特化ですけど、ゲーム文化全体に対する、なんつーのかな、侘び寂びというか、心情の表現も中々深いものがあります。

某作品のオマージュでしょうけど、

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「ゲーミングお嬢様」1巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

なんでかわかんないんですけど、この「人の心の光はあったけぇですわね」ってこのシーン、この漫画らしくてものすごく印象に残って好きなんだよな。

自分が好きなことしか描いてないことに由来するのか、

「わかる奴だけわかればいい、伝わるやつには必ず伝わる」という自信。

新作にも関わらず一体なんなんだこの貫禄は。

 

 

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