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#望郷太郎 6巻 評論(ネタバレ注意)

「デカスロン」「へうげもの」の作者の現作。

突如地球を襲った大寒波に際し、財閥系商社・舞鶴グループの創業家7代目、舞鶴通商のイラク支社長・舞鶴太郎は、駐在するバスラで極秘に開発させていた冷凍睡眠シェルターに妻と息子を伴って避難。1〜2ヶ月の冷凍睡眠で大災害をやり過ごす心算だった。

太郎か目を覚ますと、隣で眠っていた妻も息子もミイラ化し、装置が示す数値はあれから500年が経過していることを指し示し、シェルターの外には廃墟と化したバスラの街並みが広がっていた。

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「望郷太郎」6巻より(山田芳裕/講談社)

人が絶えたように見える世界を前に太郎は、自らの死に場所を娘を残してきた故郷・日本に定め、長い旅路を歩き始める。

旅路で出会う、わずかに生き残った人類たちは、過去の文明の遺産を再利用しながら、狩猟と採集で食いつなぐ原始に還った生活を営んでいた。

で始まるポストアポカリプスなサバイバルなロードムービーもの。

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「望郷太郎」6巻より(山田芳裕/講談社)

としてスタートした作品ですけど、もう既にジャンルが少し変わったというか本質が表れていて、実態は原始環境における経済もの、「金と人間」をテーマにした作品に。

先に「ロードムービーもの」と書いたけど、ヤープト村に滞在してだいぶ経ちましたが、今巻でようやくヤープト村編が完結。つってもまだ6巻ですけど。

原始経済の世界における主人公の「なろう」要素が経済に関する知識なので、「金vs暴力」になっていくのかな、と思ってたんですが、どっちかというと「金と暴力を両方備える者が勝つ」みたいな展開になってます。

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「望郷太郎」6巻より(山田芳裕/講談社)

ついでにいうと「金」の要素も、太郎の経済の知識ではなく「マーの原石鉱脈を独占している」ことに由来した状態でヤープト村編をクリアしてしまったので、本領発揮はもうちょっと先か、という感じ。あと胆力か。

「ヤープト村の乱」より2年を経て太郎とパルは、友好とパルの妹の行方を求めて、周辺を経済と軍事の両面で支配する強国マリョウへ。

貨幣の発行と貨幣経済・軍事・利子の出現と抑制ときて、次巻予告を見る限り次のテーマは「宗教」「信仰」になるんかな。

太郎さんの、元・経済エリートならではの、ちょっといいとこ見てみたい!

という感じで次巻に続く。

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「望郷太郎」6巻より(山田芳裕/講談社)

あと日本に行くことを忘れてなくてよかったw

 

 

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