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#薬屋のひとりごと 10巻 評論(ネタバレ注意)

なろう小説のコミカライズ。古代中国の華やかな後宮を舞台に、美女ありイケメンありミステリーあり。

人攫いに後宮の下女として売り飛ばされた薬師で毒マニアの少女・猫猫(マオマオ)が、謎のイケメン高官・壬氏(じんし)の引き合いもあって上級寵妃のお付きの下女として、華やかな後宮内で起こる難事件を薬と毒の知識と花街出身の度胸で解決する時代ものの探偵もの。ちょっとラブコメも有り。

『薬屋のひとりごと』10巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

ガンガンとサンデーGXでそれぞれ同時にコミカライズされていて、サンデー版も出来物だと聞きますが、間違って読んでない方の続巻を買ってしまわないように気をつけましょう。

勧善懲悪というよりはヒロインが謎を解いて自分の利害を満たしたらそこで終わり(逮捕・検挙が目的ではない)という感じで、「犯人(たち)がその後どうなったのか」は描かれないことが多く、人によってはモヤモヤが残るというか、「大人な幕引き」のエピソードが多めですけど、自分はこれ系のモヤモヤは結構好きです。

『薬屋のひとりごと』10巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

毒マニアの薬師が主人公って一見変化球のようでいて、「事件」の舞台は後宮ということもあり、「被害者」「犯人」もその多くが女性で、かつ犯行が(地位を損なわないよう)秘密裏に行われるケースが多いことを考えると、殺人の手段が「毒殺」に偏って主人公が薬師なのは、よく考えたら必然だったんだな、とか思いました。

今巻は単話〜前中後編までのエピソード群が中心。サイズがコンパクトな分、ダレずにクオリティ高くキビキビした展開。

『薬屋のひとりごと』10巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

相変わらずアクションシーンなど派手な場面があるわけでもないですが、2時間サスペンスドラマのようなスリリングさ。

猫猫の活動も殺人犯を捜索するばかりでなく、数十年前の幻の歓待の宴の再現、後宮内の診療所の見学、后妃と高級女官をめぐる陰謀の暴露、皇帝家の血統と儀式の謎の解明など、多岐にわたって飽きさせません。

『薬屋のひとりごと』10巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

舞台が権謀術数渦巻く後宮の割りにというか、後宮だからこそというべきなのか、政治勢力の暗躍よりも高い位にいる人物の個人的な動機に基づく犯罪?が多め。

その分、「選択の廟」のように皇帝家の謎に迫るようなエピソードが挟まると変化がついてよいですね。

『薬屋のひとりごと』10巻より(日向夏/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ/スクウェア・エニックス)

てか「選択の廟」、前編で今巻が終わって後編がすごい気になるんですけど、早よ次巻くれ次巻。

 

 

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