
「みつどもえ」の作者の現作。
ラブコメ漫画は数あれど、WEB連載で既読にも関わらず新刊が一番楽しみな作品。
主人公は、雑誌の専属モデルもこなす陽キャ美少女・山田を殺す妄想をする、中二病で陰キャでぼっちな男子中学生・市川。
図書館で偶然見かけた彼女は、一人でおにぎりを頬張りながらゴリラのような鼻歌を歌う、意外と割と残念な感じだった…
コメディの皮をかぶせた、エロで独りよがりで優しい中学生の、初恋の繊細な機微の描写。

『僕の心のヤバイやつ』7巻より(桜井のりお/秋田書店)
「青春と恋とバスケットボール」のモチーフは『スラムダンク』以前の'80年代に、「流行った」ってわけでもないんですけど、自分が好きな作品に採用されることが多く、
まず岡村ちゃんね。
この曲の主人公はバスケ部ですけど、バスケットボールのジャンプシュートの成功率ってNBAのトップスコアラーでも100%にはならず、そこからレベルが離れるごとに成功率も下がって、非バスケ部のジャンプシュートが一発で入る確率って「ちょっとした奇跡」レベル。
「好き、嫌い、好き、」の花占い的に、恋愛ごとの願掛けによく似合います。
『きまぐれ★オレンジロード』の恭介とまどかも、ほっといたら何も起こらないところをラブコメとして話が動かしたのはひかるちゃんなんですけど、ひかるちゃんが恭介に片想いするようになったきっかけはバスケットボールで、

『きまぐれ★オレンジロード』(愛蔵版)1巻より(まつもと泉/WAVE STUDIO)
体育の授業でダサかった腹いせに、無人の体育館で座ったまま超能力で超ロングシュートを決めるところをひかるちゃんが密かに見ていた、という。
定期的に忘れるんですけど、そういえば『オレンジロード』の主人公、超能力者だったわ。
そもそも、街中のバスケットコートの数が少ない日本(出典:『スラムダンク』)においては、学生生活を卒業すると定期的な体育館通いをしてない限り「バスケットボールとゴール(コート)」を見かける機会がなくて、バスケットボールのボールとゴールのある風景って、ある意味「青春時代としての学生時代の季語」みたいなもんなんですよね。

『キラキラ!』(愛蔵版)5巻より(安達哲/講談社)
最終回近く、いろいろあった高校生活の卒業を前に、バスケットゴールを前に青春・恋愛について自問自答する描写。
漫画のモチーフとしてマイナーだったバスケットボールの扱いも『スラムダンク』を機に漫画メジャー競技に変わったんですけど、「青春恋愛もの・ラブコメにおけるバスケットボール」は掘ったらちょっと面白いかもしれません。
今巻は、えー、相変わらず

『僕の心のヤバイやつ』7巻より(桜井のりお/秋田書店)
「えっ!?こんな状態からでもまだ付き合ってない(保険じゃなかった)ラブコメがあるんですか!?」という感じ。
恋人として「告白して付き合う」以外のあらゆる外堀が埋まっていくというか、「"未満恋愛"としてやれることは全部やっていこう!」というKIAIを感じます。
なんで本人より先に親父に告白してんだよwww

『僕の心のヤバイやつ』7巻より(桜井のりお/秋田書店)
山田ママの表情いいよね。
あと「それでも未満恋愛」って言えるイベントってなんだろね。この子たち、「告白して付き合う」前に子どもが成人式を迎えそうで怖い!
まあでも、作品として「(甘酸っぱい)未満恋愛であることに意義がある」ってメタな理由は置いといても、「あと何があったら告白して付き合うんですか」という問いを、思春期の自分に向けたらなんて返事するかって話で、「たぶん両想いだよなコレ」って思ってても、告白するのってそんな簡単な話じゃなかったですよね。

『僕の心のヤバイやつ』7巻より(桜井のりお/秋田書店)
いや、告ってないのコレ? 普通に告るより難易度高くない?www
イッチやっぱ自問自答が過ぎて勇気出すポイントちょっとバグってるよなwww
あと今巻も萌子が可愛かったです。

『僕の心のヤバイやつ』7巻より(桜井のりお/秋田書店)
絵的にも丸顔・垂れ目・下がり眉の「たぬき顔可愛い」の最高峰なのと、「そこがな」言われた萌子の心中を、敢えて言葉にしないでこの表情、ってのが良いですよね。
前述の山田ママもそうですけど、「表情の演技」の描き分けの繊細さすごいなこの漫画。
足立クソー、足立のくせにフラグ立てやがって足立のくせに女見る目もあっていい奴だなこのヤロー足立のくせに。
aqm.hatenablog.jp
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