#AQM

あ、今日読んだ漫画

#化物語 18巻 評論(ネタバレ注意)

西尾維新の原作を大暮維人がコミカライズして週刊少年マガジンに掲載の鉄板漫画。キャラデザVOFAN準拠。こんなに美麗な絵でコミカライズされると原作冥利に尽きるでしょうね。ちなみに自分は原作とアニメを消化済み。

順番を入れ替えて、「こよみヴァンプ(傷物語)」の後に「つばさキャット(化物語5章)」。

『化物語』18巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

今回、コミカライズの「つばさキャット」ですが、原作小説やアニメ版ではサラッと触れただけの「つばさファミリー」の回想をガッツリやりまして、実質的に「つばさファミリー+つばさキャット(つばさキャットに回想シーンとしてつばさファミリーを完全に内包)」という形に再構成され、更に虎が出てきて武者も出てきて、アレとソレも「つばさキャット」の中で決着つけそうな勢い。

原作の先のエピソードを先食いして再構成しているのでやや複雑ですが、すでに原作・アニメを消化してる組にはちょうどいい塩梅に先の展開が読めない「何物語なんだ」という、「君の知らない物語」になってていい感じです。

『化物語』18巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

原作の一見「物語に寄与しない寄り道の多い作風」を反映、というか、キャラのインナースペースの葛藤・禅問答、西尾維新特有の言葉遊びやエロ問答のギャグコメについて、原作で読みアニメで観たシーケンスをもう一度読むことになるので、「同じギャグを聞くの三度目」的な意味で物語として読むと割りと冗長だな、と思わないでもないです。

『化物語』18巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

なんだこのコマw

けど、その作風でファンを獲得したシリーズの特色でもありますし、「物語に寄与しない寄り道の多い作風」という意味では司馬遼太郎作品や、一部のゲームのフレーバーテキストっぽくもありますね。

原作小説の「化物語」「傷物語」の後の続巻が20冊ぐらいあるんですが、今のこの「つばさキャット」でこのコミカライズが終わるのか問題、というのはずっと気にしてるんですが、だいぶ「終わんのかなー」という気がしてきました。

今巻で、「偽物語」で初登場だったはずの貝木泥舟が「化物語」ラストエピソードのこの「つばさキャット」に登場。

『化物語』18巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

無理して出したと言うよりは、「デイシュ・エクス・カイキ」というか、その他の先食い要素も含めて「思わせぶりな預言者役」、リンクマンとして有効活用されてる感じ。

「予告編効果」というにはだいぶ踏み混んでいて、「猫(白)」なんかは今後コミカライズしてももう描くべき要素があんまり残ってない気もします。

コミカライズに限って言えば、忍・羽川以外の未回収の伏線が結構残ってはいますけど。

もはや伏線というより謎かけですけど、

『化物語』18巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

原作を全部じゃないながらも終盤近くまで読んだ身で考えてみると、

王だった奴①
 ここは素直に忍(旧キスショット)でいいと思います

王だった奴②
 人材難ながら「一般論としての強い怪異」としては怪異殺しでいいのかな

王だった奴③
 ここが埋まりません。

王になる奴
 本命・羽川 対抗・撫子

「王だった奴③」がマジでわかりません。

力量で言えば忍野、次いで阿良々木でしょうけど、貝木が「王だった奴」と評するのはそぐいません。

「貝木が評する」という意味では神原駿河の母親も候補ですが、もう「居ません」。

マジで誰のことだろう…忍野が「二人の怪異の王」と言ってるのと併せるとそもそも人間じゃないのかな。

「王になる奴」もちょっと微妙で、羽川の場合は予言が過ぎるのと、原作・アニメで貝木が初対面の羽川に「賢しげな小娘」と偏見を持ったことと齟齬が出ますね。その程度の齟齬なんか出てもいいじゃんとも思いますが。

対抗に挙げた撫子は他への影響力という意味では「王」より「(祟り)神」で、ちょっと違うかなと。

 

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