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#ラーメン赤猫 2巻 評論(ネタバレ注意)

ジャンプ+のインディーズ連載から好評につき異例のコミックス発刊、正式連載に昇格した作品。

ブラック企業を退職した人間・社 珠子(やしろ たまこ)が人づての紹介で次の職場として採用面接を受けたのは、猫と虎がラーメンを作り猫が接客する、猫と虎で営業するラーメン屋、「ラーメン赤猫」だった。

『ラーメン赤猫』2巻より(アンギャマン/集英社)

ラーメン丼に毛を落とせない従業員猫たちのブラッシング係、次いで皿洗いを任された社さんと猫たちの、お店日常もの。コメディに寄りつつ人情噺が中心。

本作の猫は人語を解し話しラーメンを作りラーメン屋を経営し、人間並の完全な人権は未整備っぽいものの店舗の経営ぐらいまでは社会から許されている世界観。

たぶんちゃんと納税もしてる。

『ラーメン赤猫』2巻より(アンギャマン/集英社)

主人公というか狂言回しヒロインが人間ということもあり、日常ものが自然、異種間コミュニケーションのお話に。

理屈をつければ「SDG's的な多様性を重視したお話」とも言えますが、教条めいた硬さや押し付けがましさを感じさせない、さらっとした優しいお話。

『ラーメン赤猫』2巻より(アンギャマン/集英社)

「ほっこり」って表現が嫌いな人もいることは存じ上げてはおりますが…そんな人は猫がラーメン屋やるような漫画そもそも読まないかw

ギスギスした社会に疲れた人間を癒してくれる、二重の意味でファンタジーなほっこり系です。

今巻も優しい単話エピソードを重ねつつ、ちょいちょい店員猫たちの過去話の深掘りなど、「お店人情もの」の王道展開。

『ラーメン赤猫』2巻より(アンギャマン/集英社)

ちょいちょい「悪役」を立てたお店のピンチに繋がりそうなトラブルもあるんですけど、解決が早いというか、猫店員たちの対応がしっかりしてて頼もしい。

『スラムダンク』の単行本で、エピソード間の幕間ページの丸コマの描き下ろし「一コマ漫画」が好評でしたが、この作品も幕間ページに丸コマの描き下ろし「一コマ漫画」が、しかも1ページに4〜5コマ収録されています。

『ラーメン赤猫』2巻より(アンギャマン/集英社)

数えてみたら2巻では描き下ろし一コマ漫画が45本も収録されていて、WEB連載で読んだ人にもお買い得な単行本。

こういう「深掘り」というより「浅掘りがたくさん」なおまけ漫画って、軽いんだけど作品のイメージが拡がって嬉しいですよね。

ラーメン屋で席にサービスで置いてる漬け物みたいw

 

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