#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#紛争でしたら八田まで 12巻 評論(ネタバレ注意)

表紙のメガネ美女、「地政学リスクコンサルタント」の八田百合がクライアントの依頼を受けて世界を股にかけて紛争を渡り歩き、地政学の知識と思考と調査能力と護身術で解決していく、美女!メガネ!インテリ!ハードボイルド!ワールドワイド!なかっけーお仕事もの。

『紛争でしたら八田まで』12巻より(田素弘/講談社)

ぼっちでメガネで日系で手ぶらのココ・へクマティアル、という感じ。

下品な方の出羽守っぽいというか、ちょっと「ブラック・ラグーン」みたいな洋画吹き替えワールドな感じ。

差別や不和、対立に満ちた社会の縮図で苦悩する依頼主たちを、「たったひとつの冴えたやり方」で少しだけビターなハッピーエンド、イバラの道ながらも融和と協調と成長に導く、シビアな現実で始まりながらも人間の善性を信じた希望に満ちたあっ軽いラスト。

『紛争でしたら八田まで』12巻より(田素弘/講談社)

というスタイルで作劇はほぼ一貫してます。

無駄のない、無駄のなさすぎる構成と展開。

漫画で得た知識でイキるのはいかがなものかと思いますが、エンタメと「知るきっかけ」の両立という意味で大変優れたコンテンツです。

バーターで、主人公がデウス・エクス・マキナな装置であること、作劇がキレイすぎてややご都合主義的なのは、致命的な錯誤や恣意的な思想誘導がない限りは、目を瞑るべきかなと。

『紛争でしたら八田まで』12巻より(田素弘/講談社)

今巻はスイス編・「自殺ホテル編」の完結と、登場人物によるウクライナ-ロシア戦争の論評を挟んで、日本のお近く、台湾編。

スイス編のクライマックスとエンディング、自分が好きなタイプの少々甘口なビター・ハッピーエンドですが、「スイスっぽさ」はちょっとこじつけ臭くないかwww

『紛争でしたら八田まで』12巻より(田素弘/講談社)

台湾編は次巻に続いてるのでどう転がるのかまだよくわかりませんが、台湾の文化や情勢に良くも悪くも日本が与えた影響が描かれるので、当たり前ですけど「近い国なんだな」と実感します。

自分は「行ったことない国」という意味ではブラジルと同じなのであまり実感なかったんですけど。

あと食べ物が美味しそうな国なので、作者も描いてて楽しそうだな、とw

『紛争でしたら八田まで』12巻より(田素弘/講談社)

という感じで、次巻に続く。

 

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