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#SPY×FAMILY 11巻 評論(ネタバレ注意)

凄腕スパイ・暗号名「黄昏」に下った新たな指令は、妻と新小学生の子どもを調達して敵国の名門校のPTAに潜入し、平和を脅かす危険な黒幕に近づくこと。

任務のために孤児院で適当に選んで引き取った娘・アーニャは、他人の心が読める超能力者だった。

『SPY×FAMILY』11巻より(遠藤達哉/集英社)

ひょんな縁からトントン拍子で任務のために妻に選んだおとなしげな美女・ヨルは、凄腕の殺し屋だった。

互いに正体を隠して家族になった3人。人の心が読めるアーニャだけがひとり全てを知り、新しいスパイの父と殺し屋の母に「わくわくっ…」としていた。

ロイドが艤装して精神科医として務める病院で、ロイドの能力と人望に嫉妬した上役がロイドをスパイ容疑で通報。

『SPY×FAMILY』11巻より(遠藤達哉/集英社)

『銀英伝』で、ヤン・ウェンリーへの嫉妬と妄想と偏見の果てに真実に辿り着いていたレンネンカンプを思い出しますねw

ヨルの弟のシスコンコメディ+ロイドとヨルのラブコメ回を挟んで、中編エピソード、バスジャック編。

『SPY×FAMILY』11巻より(遠藤達哉/集英社)

アーニャの通うイーデン校の博物館への遠足(?)のバスが反政府テロ組織「赤いサーカス」にジャックされ、黄昏はスパイ任務で遠方に。

アーニャと級友たちの大ピンチ!頼りになる黄昏とヨルもいない中、孤立無援のアーニャは…

という、シリアスとコメディが交錯するなかなか面白い中編。

『SPY×FAMILY』11巻より(遠藤達哉/集英社)

孤軍奮闘するアーニャのテレパス能力とコメディ要素が、テロ組織のシリアス要素をコミカルにねじ伏せてしまって、作者が提示したテーマに対して結末の軽さがややチグハグに感じなくもないです。

世界は残酷で理不尽で…で…こうなるのか、という。

黄昏の過去編のとおり「残酷な世界の理不尽と対峙する子ども」というのはこの漫画が抱えるテーマの一つですが、

『SPY×FAMILY』11巻より(遠藤達哉/集英社)

黄昏とヨルを封じられてアーニャが活躍するエピソード、ご都合主義的と捉えるか、人間の良心を信じた結末と捉えるか、子ども世代に対する期待の発露と捉えるか。

アニメ化も果たしアーニャ効果もあって、少年ジャンプ系の中でも特に世の子どもたちにも読まれ観られてる作品なので、作者的にも描ける物語・表現の幅にも自ずと制約が大きいことは想像に難くないですが、その中で自分はなにかこう、大人に向けた

「子どもたちの前で恥ずかしくないエレガントな大人でいようぜ」

という電波を、

『SPY×FAMILY』11巻より(遠藤達哉/集英社)

ダミアンの勇気との対比で、勝手に受信してしまいましたが。

 

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