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#ちえりの恋は8メートル 2巻 評論(ネタバレ注意)

男子高校生・小滝夢路の、クラスの隣の席の女子は身長が8mだった。

小学生時代の幼馴染だった大嶺ちえりは、中高と夢路と違う学校に進んだ後、8mに巨大化。その前後(?)にその影響なのか、夢路の高校に転校してきた。

国の支援と学校の協力のもと、身長8mながら高校に通うちえりのお世話係に、幼馴染の夢路が指名されたのだった…

『ちえりの恋は8メートル』2巻より(ミトガワワタル/集英社)

という、ジャンプ+でWEB連載中の変則設定のラブコメもの。

背景だけカラーなの、まるで「このお話は、漫画です」と暗喩してるみたいに面白い効果が出てるな。

「巨女ヒロイン」というと、今も昔もずっと一定の需要があるヒロインジャンル。

なんで大きくなっちゃったんだとか、科学考証的にどうなのとか、元に戻る方法はとか、社会から迫害されるんじゃないかとか、そういうシリアス要素を全部放り投げて、

「ただデッカい美少女との日常ラブコメがやりたいだけ」

という、「頭は良くないけど気持ちはわかる」みたいな動機の漫画。

『ちえりの恋は8メートル』2巻より(ミトガワワタル/集英社)

巨大化して学校内の「異物」なんですけど、生活と学校生活は国がオープンに支援してくれて学校も協力的で、いじめられることもなく、校内にちゃんと女友達というか親友もいて、「異物に対する、学校や社会のオープンな需要」という意味では、「巨女ヒロインの系譜」というよりは、むしろ一番近いのは『ルリドラゴン』なんじゃないかなと思います。

人間の残酷さをマスクして「こうだったらいいな」っていう理想の多様性、相互理解・国家社会の理解とバリアフリーによる共存、ある意味で御伽話のように優しい世界。

『ちえりの恋は8メートル』2巻より(ミトガワワタル/集英社)

ヒロインがデッカいだけで、やってることはホントに記号化・テンプレ化されたベタなラブコメで、2巻も「真夜中のプール」とか「ベタな王道」なんですけど、ヒロインがデカいので自動的になんか絵ヅラが面白くなる、というw

『ちえりの恋は8メートル』2巻より(ミトガワワタル/集英社)
真夜中のプール

真夜中のプール

  • 斉藤和義
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

斉藤和義のせいでどうしても自分は「真夜中のプール」って「成就しなかった青春時代の恋」のイメージがあるんですけど、別にそれと決まってることではないしな。

1巻で語られなかったちえりの家族に関する描写が出てきますが、自発的に独立しただけで家族に愛されているみたいです。

ちょっとホッとしました。

『ちえりの恋は8メートル』2巻より(ミトガワワタル/集英社)

あとはイケメン・マッチョな教師が出てきて夢路のライバルになるのかと思ったら、

ちえりのライバルになっててちょっと笑ってしまったw

まだ2巻なんで、畳み方の心配をするには早いんでしょうけど、こんだけハッピーな日常ラブコメの、でも巨大化した少女の、ハッピーエンドってなんだろうって、ちょっといろいろ想像してしまいますね。

『ちえりの恋は8メートル』2巻より(ミトガワワタル/集英社)

バッドエンドは、なさそうですよね。

 

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