#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#33歳独身女騎士隊長。 3巻 評論(ネタバレ注意)

王国最強の女騎士が仕事と酒とオナニーに明け暮れるサイテーな日常もの。エロ話しかしないけどエロ展開はなし、という下ネタショートギャグコメディ。エロ漫画誌に毎月2ページ掲載のギャグ枠をコツコツ続けてようやく3巻。

『33歳独身女騎士隊長。』3巻より(天原/KATTS)

あとがき漫画によると1冊出すのに30ヶ月かかるそうです。

新刊に数年かかったり女騎士がたくさん出てきたりという意味では、『FSS』の仲間ですね(※ちがいます

主人公のメイルさんはクロノワーク王国最強の騎士ながら、社畜すぎて出会いがなく趣味は酒とオナニー。鍛冶屋に愛剣の柄をディルドの形に製作させてオナニーに活用。

同じくオナニーが趣味の副隊長、教官は飲むとくっ殺歴3回の思い出話に花を咲かせ、バツ3の第一王女は嫁ぎ先の王家をぶっ壊す陰謀家の性豪。

『33歳独身女騎士隊長。』3巻より(天原/KATTS)

全編に渡って身も蓋もなく体育会系的なオナニーの話が5割、セックスの話が3割、その他の下ネタが1割。

大国の間に挟まれた小国の、「貧国強兵」とでもいうか、他国に侵略されないよう貧乏国の状態を維持したまま兵をゴリラのように鍛えて備え、売るものが毒にしかならない人間しかないという毒フグの生存戦略みたいな凄まじい国ですけど、大国間の要衝としての地歩を着々と固めつつあり、「なろう」的なサクセスストーリーとしても面白いなこの漫画。

『33歳独身女騎士隊長。』3巻より(天原/KATTS)

前巻以来、陰謀家で性豪の第一王女による大国乗っ取り、精強な女騎士たちの武力による他国の併合、同じく精強な女騎士たちの土木工事力によるインフラ整備で、辺境の貧乏小国が街道の要衝として急速に地歩を固め、経済も活性化。

しかし、実態はゴリラの群れなため高度経済成長に処理能力が追いつけなくなり、ブラック職場と化した王国は「文官の輸入」を画策するが…

という3巻。

『33歳独身女騎士隊長。』3巻より(天原/KATTS)

「貧国強兵」だったクロノワーク王国が、他国に嫁いだ第一王女や人質とした他国の王子の献策・陰謀もあって、軋轢を生みながら(そしていちいちパンチの効いた下ネタを挟みながら)も徐々に豊かに、「普通の大国」になっていく過程、とも読めます。

「問題は」という言うべきか、「ポイントは」と言うべきか、戦争に勝っても国が富んでも、メイルさんはじめクロノワーク王国の女騎士たちは特に幸せになってない点。

『33歳独身女騎士隊長。』3巻より(天原/KATTS)

むしろクロノワーク王国に戦争で敗れた敗戦国の生き残りの方が、紆余曲折ありつつも幸せを掴んでるようにも見えますねw

「三大欲求」の定義は諸説あるそうですが、代表的な「食欲・性欲・睡眠欲」に貪欲で、かつ情勢がどう変わってもマクロで国が豊かになっても、そのミクロな欲求が満たされない彼女たち。

まあ満たされてしまったら漫画が終わってしまうんですけど、幸せってなんだろう、豊かさってなんだろう、という作者の皮肉な問いについて少し考えてしまいますね。

『33歳独身女騎士隊長。』3巻より(天原/KATTS)

話が脇道に逸れましたが、メインはあくまでそうした国際情勢下における、パンチの効いた下ネタです。

知的で痴的とでもいうのかなw 今巻も面白かった。

 

aqm.hatenablog.jp

blog.livedoor.jp