
長年連れ添った津軽弁の農家の老夫婦・正蔵とイネは、ある夜目覚めると二人とも青年期のイケメンと美女の姿に、特に理由もなく若返っていた。
若返った二人に孫娘ははしゃいで甘え、息子の嫁はときめき、息子は動揺し、老人会はざわついたが、60年近く連れ添った二人はそこまで動じることもなく、しかし少しずつ若返った身体でのかつての日常を取り戻していく。
という不条理ファンタジーな日常コメディ。

『じいさんばあさん若返る』7巻より(新挑限/KADOKAWA)
『海が走るエンドロール』あたりは、初老の女と若い美青年の関係をだいぶデリケートに描いてますが、
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翻って本作は雑にリアルというか、若いイケメンに色目を使うMOBの婆さんがたくさん出てきますねw
出オチの一発ネタの割りに日常ネタで楽しく続いて7巻。

『じいさんばあさん若返る』7巻より(新挑限/KADOKAWA)
日常コメディながら、「寿命」「余命」を感じさせる不穏さも孕んでいて、「老いとは何か」「人生とは何か」などちょっと興味深いテーマ性を持った漫画になってます。
今巻も楽しく可愛らしく、ちょっと艶っぽいエピソード群。
あとがきによると、アニメ化が決定、そして次巻で完結とのことです。

『じいさんばあさん若返る』7巻より(新挑限/KADOKAWA)
ある種の理不尽による出オチ漫画ではあるので、2〜7巻の日常コメディを楽しみに読みつつも、自分のこの作品に対する関心はやはり1巻と最終8巻です。
どう始まって、どう終わるのか。
自分も歳も歳なので、そろそろ「老いと死」について考えて向き合う時期が近づいてきています。

『じいさんばあさん若返る』7巻より(新挑限/KADOKAWA)
画にもネームにも、どこか90年代の青年漫画のような荒削りな艶を感じさせる作品。良い意味でラブコメ屋さんですよね。
前作以来、好きな漫画家さんですが、どんな答えを出すのか、あるいは出さないのかも含めて楽しみです。

『じいさんばあさん若返る』7巻より(新挑限/KADOKAWA)
どうせ正解なんてものはありませんし。
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