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#あかね噺 7巻 評論(ネタバレ注意)

浅草の阿良川一門の落語家(二ツ目)阿良川志ん太の娘、小学生・朱音(あかね)は父親の落語を誇りに思い憧れていた。

朱音も応援する父親の真打昇進試験、しかしその顛末は予想だにしないものだった。

内密かつ非公認に、父に倣って一門ナンバー2の落語家・阿良川志ぐまに師事して6年、高校生となった朱音は父親の意志と夢を継ぐべく、正式に志ぐまに弟子入りし阿良川一門に入門。

『あかね噺』7巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

父の叶わなかった夢、真打を目指す朱音の落語家人生が始まった!

という、落語をモチーフにした成長譚の青春譚のサクセスストーリー。

週刊少年ジャンプ本誌連載ながらモチーフが落語という変わり種ですが、まあ「なにやってもジャンプ」というか「落語やってもジャンプ」というか。

『あかね噺』7巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

ジジババイメージが強い伝統芸能の世界の中心で元気で可愛いJKが主人公、というのもギャップがありつつ、いかにも今どきでキャッチーで、世代間コミュニケーションの楽しみや「男社会の中の女」という切り口にも派生できそうで、見た目の印象以上に拡張性が高い作品だな、と。

『あかね噺』7巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

当面の目標を「前座」から「二ツ目」への昇進に定め、阿良川一門の昇進ルールに則って、レベルの高い阿良川一門の「前座」たちがシノギを削る、実質「予選」の錬成会、そして「本戦」の選考会へ。目指すは若手の登竜門「四人会」の最後の一枠。

届きそうで遠ざかっていく、阿良川一門の若手のホープ、魁生の背中。

朱音は前巻で「噺に自分を合わせる」ことを学びましたが、今巻の課題はコンペに向けて「自分に合った噺を選ぶ」こと。

『あかね噺』7巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

今巻で朱音に稽古をつけてくれるまいける兄さんが、もう完全に『ハンター』のヒソカと、念能力の説明のオマージュというかパロディじゃねえかw

ジャンプ作品の強いところは、名作・ヒット作で成功した王道パターン・手法を何の気兼ねもなく、パロディ・オマージュ・パクリ・コピー・真似、なんでもよろしい、取り入れられるところですね。

『あかね噺』7巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

※このコマは本編ではなくおまけギャグページです

新規制はない既存のフォーマットながら、既存のフォーマット故に読者に伝わりやすく、実績もあり、そしてある程度以上、面白い、という。

冨樫などの一部の天才が新たな王道・定石を作りフォロワーがそれを取り入れることでジャンプ勢が隆盛しているのは、なにか阿良川一門を一生や魁生などの天才が手本を示して一門のレベルを引っ張り上げているのに似てますねw

他者だと喧嘩売ってるみたいで、ここまで露骨にパロるの気が引けるだろうなあ。

『あかね噺』7巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

本筋の方は、朱音が引き続き芸の幅を広げるチャレンジをしつつ、元いたライバル・新登場のライバルと切磋琢磨しつつ、決勝というか、選考会に続く。

 

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