
位置原光Zによるオムニバス短編集。
『小悪魔淫魔サキュバスちゃん』の人、と言うと通りが良いかと思います。

『アナーキー・イン・ザ・JK』より(位置原光Z/集英社)
※『小悪魔淫魔サキュバスちゃん』は過去作なので、今回の「青春リビドー山」には収録されていません
ということで、アダルト向け漫画誌「快楽天」(ワニマガジン社)に連載されたショート漫画をまとめた単行本がKADOKAWAから。

『青春リビドー山』より(位置原光Z/KADOKAWA)
プレイヤー買うのかよ。
角川は毀誉褒貶が激しいというか瑕疵が多いというか、一漫画読者として角川に対して言いたいことはたくさんあるんですけど、こういう作品に陽の目を当てる受け皿になってる懐の広さだけで憎めないというか、商業漫画文化で果たしてる役割やっぱデカいよなーと思う。
作者自ら「一般向け単行本」とおっしゃってますし、実際Amazonでの扱いも一般向け扱いです。
わかりますか、googleさん、はてなブログ運営さん! この作品もこの記事も「一般向け」ですよ!

『青春リビドー山』より(位置原光Z/KADOKAWA)
こんなん馬鹿馬鹿しすぎて笑うしかねえよw
というわけで、エロ漫画誌に掲載された一般向けのエロ下ネタギャグ漫画、いつもの感じ。
位置原先生の単行本は、出版社に依るのか作品に依るのか、セリフが手書きの作品と写植の作品とがありますが、本作は写植。

『青春リビドー山』より(位置原光Z/KADOKAWA)
この漫画にも、このページにも写植や校閲の担当さんがいると思うと
「どんな感情でこの仕事したのかな」
とちょっとツボですねw
Amazonのレビューには「手書きセリフの方が面白く感じる」とのコメントもありましたけど、自分はまあ、どっちも好きかな。

『青春リビドー山』より(位置原光Z/KADOKAWA)
前作単行本の『性懲りショートステイ』は白泉社の「楽園 Le Paradis」連載、セリフは手書き。
掲載誌によって作風が変わるでもなく、相変わらず馬鹿馬鹿しくて良いです。
萌え絵じゃないけど三白眼気味の女の子たちが可愛いというか色っぽいというか艶っぽいというか。ムラムラ感の表現が生々しくて良いよね。

『青春リビドー山』より(位置原光Z/KADOKAWA)
エロ下ネタ系のナンセンスギャグ、「NTR」「生徒会長」「一休さん」などの定番ネタ(定番か?)が明後日の方向に飛んでいく、こんなバカなことばっか考えながら創作するのも生活するのも大変だろうなと思いますけど、ツッコミ役は至って真っ当な常識人なんですよね。
そのギャップというか落差というか。

『青春リビドー山』より(位置原光Z/KADOKAWA)
「ツッコむポイント、そこ?!」っていう、ツッコミの焦点がどんどんディティールのニッチで狭いこだわりにハマっていって深掘りしていく感じ、エロと似ているというか共通しているというか、そもそもスタートはエロの定番シチュなのに換骨奪胎してエロに行かずにギャグに跳ねてるというのか。
ギャグの発想がエロとずっとぴったり並走してて、セックスしてる時も常時ギャグが思い浮かんでしまってエロに集中できなさそう(余計なお世話)というか、「どういう脳みそしてんだろこの作者」と毎回思います。
今作も面白かった。
aqm.hatenablog.jp