AQM

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#性懲りショートステイ 評論(ネタバレ注意)

位置原光Zによるオムニバス短編集。

「小悪魔淫魔サキュバスちゃん」の人、と言うと通りが良いかと思います。

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「アナーキー・イン・ザ・JK」より(位置原光Z/集英社)

※「小悪魔淫魔サキュバスちゃん」は過去作なので、今回の「性懲りショートステイ」には収録されていません

表現の枠が下に広いエロ漫画誌のギャグ漫画枠は、たまにキレッキレの作品を生み出すことがあり、「33歳独身女騎士隊長。」とか「ぱらいぞ」とかあるんですけど、この作家の作品もそうした作品群の一つ、と自分は長い間勘違いしていたんですが、

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デビュー作「アナーキー・イン・ザ・JK」はヤンジャン系列、その後移籍?した白泉社の「楽園 Le Paradis」誌もエロ漫画誌ではなく、

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「恋愛系コミック最先端」「恋愛欲を刺激する」がテーマのアンソロジーコミック。掲載作品はすべて描き下ろし。(2021年12月1日のWikipediaより)

なんだそうです。

近年、自分はどっちかというと単行本で漫画を読む派なので、最近まで知りませんでした。最近、サンデー作品だと思ってずっと読んでたらマガジンだった、とか多いんですよね。

「楽園 Le Paradis」の作家陣、割りと錚々たるメンツ。

エロに近接したテーマのエピソードが多いですが、いわゆる「エロ漫画」や「エロコメ(エロラブコメ)」ではなく、どっちかというと「下ネタラブコメ」という感じ。

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「性懲りショートステイ」より(位置原光Z/白泉社)

「恋愛系コミック最先端」「恋愛欲を刺激する」がテーマのアンソロジーコミック。

という雑誌のテーマから考えると、案外作者本人は精一杯まじめにラブコメを描いているつもりなのかもしれない。

展開としては大体、冒頭のつかみでヒロイン相当の女の子が性的に突飛なことを言い出したのをきっかけに話を広げていくスタイル。

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「性懲りショートステイ」より(位置原光Z/白泉社)

下ネタ・ナンセンス系で絵も似ても似つかないですけど、ラブコメ展開自体は古式ゆかしい少女漫画のコメディ作品っぽいなーと思います。

とにかくツンデレ系の女の子に赤面させたい、みたいな。

ラブコメのアプローチとして下半身から迫るというか、若い男女がムラムラムラムラしてるラブコメ群ですけど、実際、恋愛・性愛ってそういう面も強いよねというか。

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「性懲りショートステイ」より(位置原光Z/白泉社)

絵柄はパンチラギリギリを常に狙いながらもまるで性欲なんて存在しないかのようにメジャー誌コードで無毒化されたピュアなキャラな商業ラブコメが多い中、このムラムラから始まるラブコメのぶっちゃけ具合、かえって男の子も女の子も可愛いらしくピュアに見えますね。

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「性懲りショートステイ」より(位置原光Z/白泉社)

「オナペット」って言葉、最近聞かなくなったなw

多くの会話がセクハラギリギリというかセクハラなんですけど、男女のコミュニケーションの機微・難しさ・くだらなさが、狂気じみててリアルではないのに何かどこか生々しいな、という。

鈍感なふり聴こえないふりピュアなふりしてキープを二股・三股当たり前だけど絵だけは可愛い、みたいなワンパターンな商業ラブコメが多い中、この作風はかえってラブコメとして好感が持てちゃいますよね。

ピュアなだけでは恋愛にならないし、誠実な人間にも性欲や性的興味はあるし。

こういうラブコメが主流になんねーかな。なんねーな。

 

 

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