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#夜子とおつとめどうぶつ 3巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

駆け出しイラストレーター・影野夜子(23)は自他共に認めるコミュ症で、飲食店などの店員の接客でも緊張するタチだった。

引き篭もっての作業中、空腹に耐え兼ねた夜子は久しぶりに外出、地元の商店街に足を運び、おしゃれカフェに勇気を出して入店。

注文に向けて緊張していた夜子を迎えたのは、猫の店員「しまちゃん」だった。

よもぎ町では、様々な動物スタッフが、店員として働いている…

『夜子とおつとめどうぶつ』3巻より(石田万/講談社)

いや、ほとんどの人類超えてるだろコレwww

「店員さんが動物で可愛い」というだけの、幼稚園児向けの絵本みたいなコンセプトのちょっとファンタジー日常漫画。

テッシュを配るシロクマ、八百屋のウサギ、和菓子屋のアライグマ、カフェのネコ、パンダの保育士、スーパーのレジ係のリクガメ、交番のミーアキャット、銭湯の番台のカピバラ、魚市場のペンギン、マッサージ店のニホンザル、お寺のワラビー、駄菓子屋の店番の柴犬、美容室のアシスタントのアライグマ、動物に嫌われる喫茶店マスター代理、保育園のおさんぽで迷子になった保育園児と子パンダ、チベットスナギツネとマヌルネコのアパレルショップ、動物商店街の年末福引セール。

『夜子とおつとめどうぶつ』3巻より(石田万/講談社)

コンプレックスとストレスと運動不足の塊のような夜子が動物の接客に癒されて、特に日本語を喋るでもない動物たちが、一生懸命働いてて可愛くて親切でほっこりする、というただそれだけです。

設定自体は誰でも思いつくし、なんだったら似たような先行作品、主に絵本や児童文学で探せばいっぱいある「ただそれだけ」です。

ただ、ちゃんとした漫画家がちゃんと描いた動物の働き様の描かれ方が、物言わぬ動物ごとの愛らしい仕草の特徴を切り取っていて、「ただそれだけ」がクオリティ高くて割りと最強。

『夜子とおつとめどうぶつ』3巻より(石田万/講談社)

今巻で完結。

どこだっけコレ、と思ったら月刊少年マガジンか。あーね。

今巻は、大晦日のお泊まり会と年越し蕎麦の出前のタヌキ、初詣の福みくじのウサギとクアッカワラビー、アパートのお隣さんの謎の大男、夜子の風邪っぴきの一日、古道具屋のセンザンコウ親子、花屋のベンガルワシミミズク、自分も働きたくなった迷よいシマリス。

『夜子とおつとめどうぶつ』3巻より(石田万/講談社)

そして。

結婚することになった夜子の兄。

その兄嫁は、結婚式をよもぎ町で開き、結婚後はよもぎ町に引っ越したいぐらい大の動物好きで、同じく大の動物好きの夜子に結婚式の余興パフォーマンスを依頼。

人見知りで引っ込み思案「だったはず」の夜子にとってとんでもない依頼のはずが、もう独りではなくなった夜子には、「仲間たち」とのパフォーマンスを楽しめるぐらい強くなっていた…

『夜子とおつとめどうぶつ』3巻より(石田万/講談社)

最終巻だと知らずに読んでいながらも、ほのぼのしながらも盛り上がっていく謎の感動で、ちょっと涙目になりながら、

「まるで最終回みたいなエピソードだな」

と思いながら読みましたw

最後の最後まで、可愛くて楽しい、動物好きな空想に溢れた漫画でした。

『夜子とおつとめどうぶつ』3巻より(石田万/講談社)

「こんだけ可愛く動物描くのが上手いと次作も動物ものかなあ」

とか勝手に空想しながら、次回作もとても楽しみにしています。

お疲れ様でした。

 

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