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#BADON 8巻 評論(ネタバレ注意)

オノ・ナツメの現作、煙草が超高級品な「ACCA」世界観、首都・バードンが作品タイトルで舞台。

リコ、ラズ、ハート、エルモの4人の男は、それぞれ犯した罪でヤッカラの刑務所に収監されていたが、国王代替わりの恩赦・減刑で刑期が明け、4人で煙草店を営むべく揃ってバードンへ。前科持ちのハンデを抱えつつ煙草店「プリミエラ」を開業。

『BADON』8巻より(オノ・ナツメ/スクウェア・エニックス)

「二度と悪事にもサツにも関わらない人生」

を夢見る男たちの商売繁盛記にはならず、良かれ悪しかれ罪を犯した過去がつきまとうハードボイルド風味。

唯一短編集だった6巻を除いて「単巻で中編を1エピソード」という基本形態で、一冊ごとの読後感の満足度が高い作品でしたが、今巻はエピソードの途中で次巻に続きました。

『BADON』8巻より(オノ・ナツメ/スクウェア・エニックス)

リリーの高卒資格検定の合格と大学受験、ラズの煙草職人合格。

少しずつ距離が近づく、ヤッカラの男・ハートと、バードンの女・ドナの関係。

ハートの古巣・ヤッカラのマフィア組織「ユーカー」が営む煙草店「ピルクル」が首都バードンにも出店。

バードンの煙草大手卸売業者の撤退。

ハートは話題の新規煙草店「ピルクル」の背後にマフィア組織「ユーカー」の麻薬のキナ臭さを疑う。

『BADON』8巻より(オノ・ナツメ/スクウェア・エニックス)

そんな中、ハートの組織足抜け後も「プリミエラ」の開業にあたって資金を貸すなど、「恩人」として縁を切るに切れなかった組織「ユーカー」の首領の死期が近づき、後継者とソリが合わないハートは当代の首領が存命のうちに借金を完済しようと焦るが…

作品のユルい縦軸とも言える仕掛かり中や未解決のパーツが少しずつ片付いていき、「プリミエラ」を含むバードン煙草業界を巻き込んで、今まで語られることのなかったハートの過去編に接続されるエピソード。

『BADON』8巻より(オノ・ナツメ/スクウェア・エニックス)

ハートは「ユーカー」内でどんな立場だったのか、未だに組織と完全に縁を切れない理由はなんなのか、ハートとドナの淡い(?)恋は成就するのか。

おそらく本作の最終エピソードになってしまうんじゃないか、作品完結が近いんじゃないか、と少し思います。

早くも少し寂しい反面、もともと『ACCA13区監察課』

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と世界観を共有する、スピンオフとして始まった作品ですし、

『BADON』8巻より(オノ・ナツメ/スクウェア・エニックス)

『ACCA13区監察課』

『BADON』

と来て

『C なんとか』

になるなら、それはそれで少し楽しみだな、という気もします。

最後に「もらいタバコのジーン」が出てきたりしねえかなw

『BADON』8巻より(オノ・ナツメ/スクウェア・エニックス)

毎巻、読後の満足度の高さに星5つをつけてきた作品で、今巻も相変わらずのクオリティの高さですが、次巻への期待を込めて今巻は星4つで。

早く続きが読みたーい!

 

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