#AQM

あ、今日読んだ漫画

#キルアオ 2巻 評論(ネタバレ注意)

※ラーメンの漫画ではありません。

どっかで見た絵だと思ったら『黒子のバスケ』の新作。

『キルアオ』2巻より(藤巻忠俊/集英社)

この作品のテーマの一つでもある「少年漫画の世界の外にいる普通の人たち」の視野の真っ当さや強さが象徴されていて、ここのシーン好き。

バツイチ、子持ち、アラフォーのベテラン、「伝説の」とおだてられたりもする、組織所属の凄腕の殺し屋・大狼十三(おおがみ じゅうぞう)。

とある仕事の終わりにおかしなハチに刺されたせいで、12〜13歳の子どもの姿になってしまう。

組織の研究者が十三を元の姿に戻す方法を検討する間、ボスから下された命令は「娘が入学予定の中学校に通え」だった。

かくしておっさん殺し屋の中学生生活が始まった。

という、体は子ども、頭脳(と技術)は大人、な「一般人に擬態する殺し屋」もの。

『キルアオ』2巻より(藤巻忠俊/集英社)

正体隠してヤレヤレ言いながら人助けで俺TUEEEEE。「おっさんがヤレヤレ系クールメガネ美少年に」。まあ殺し屋版『コナン』中学生版、という感じ。

十三を大人に戻すキーとなる薬の秘密に関わる製薬会社、その社長令嬢であるヒロインとクラスメイトだった縁で意気投合。

「男避け」の婚約者のフリを引き受けたら、婚約者の座を狙う者、十三の「ただならなさ」に惹かれて勝負を挑んでくるものなど、次から次へと挑戦者が…という学園コメディに。

『キルアオ』2巻より(藤巻忠俊/集英社)

ギャグコメ・ラブコメ進行しつつ、エピソードの縦軸・要所はシリアスにシメる、という近年のジャンプ漫画の王道展開。

主人公が「中学生返りしちゃった殺し屋のおっさん」ということで、青春時代や平穏な学生生活が持つ「普通」の価値をしみじみ噛み締めて青春を取り戻す、という加齢臭漂うテーマに。

ちょっとアレですよね、

『キルアオ』2巻より(藤巻忠俊/集英社)

・ヒロインの婚約者(のフリ)になったらひっきりなしに頭のおかしい挑戦者が現れる学園生活

・頭のおかしい挑戦者たちのスットンキョーぶり

・バトルを限らずスポーツ対決などもアリ、

など、なんか『らんま1/2』を彷彿とさせる雰囲気にw

なんか癖つよキャラたちがわちゃわちゃ学園生活してて楽しい!っていうw

『キルアオ』2巻より(藤巻忠俊/集英社)

中身は子持ち・アラフォーのおっさんなんで、中1ヒロインとのラブコメには進展しないでしょうけど、まだ見ぬ十三の娘とボスの娘と併せて、どーすんでしょうね。

ハードボイルド小説では主人公の「渋くてかっこいいおっさん」を映す鏡として「おっさんに一方的に惚れる若い女」が置かれるのは割りと定番なんですけど、作者のヒット作『黒子のバスケ』からして女性に人気で、ヒロインの存在感が重視された作風ではなかったよな確か、と思うなど。

『キルアオ』2巻より(藤巻忠俊/集英社)

スポーツもの・バトルもので特に女子に人気の作品でヒロインの影が薄くなるジャンプ漫画の伝統・系譜を考えると、ヒロインのノレンはラブコメ展開抜きでここまでよく健闘しているし、引き続き頑張っていただきたい。

自分みたいな読者からすると、可愛い女の子キャラなんかなんぼ居っても良いですからね。

 

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