『みつどもえ』の作者の現作。
という紹介も、もうそろそろ
「『僕ヤバ』の作者の現作」
でいいような気もします。
「『僕ヤバ』の作者の現作、『僕ヤバ』」
ってループの仕方、そうとう頭悪いな。
アニメも良かったし、主題歌も良かったし、2期も楽しみだねえ。
b.hatena.ne.jp
ラブコメ漫画は数あれど、WEB連載で既読にも関わらず新刊が一番楽しみな作品。
主人公は、雑誌の専属モデルもこなす陽キャ美少女・山田、を殺す妄想をする中二病で陰キャでぼっちな男子中学生・市川。
図書館で偶然見かけた彼女は、一人でおにぎりを頬張りながらゴリラのような鼻歌を歌う、意外と割りと残念な感じだった…
コメディの皮をかぶせた、エロで独りよがりで優しい中学生の、初恋の繊細な機微の描写。
にゃあ、いいよねw
8巻かかって前巻でお付き合い開始。
近代少年漫画ラブコメの始祖、高橋留美子とあだち充の示した「お手本」の影響だったのか、「くっつくまで」を描き、「くっついた」ら終わる少年漫画ラブコメが主流だった時代が長かったですが、実は読者は「くっついた」後、フルパワーで、でも初々しくイチャイチャする2人が見たかった…見たかったんだよ…
付き合い始めた後だって、「恋のABC」(古い…)以外にも、ニヤニヤ(あるいはニチャァ…)しちゃうイベントや通過儀礼、いっぱいあるじゃんね…
という、読者の潜在ニーズにお応えした9巻。
ニチャァ…
特徴としてイッチと山田の二人の恋愛IQが高くて、恋愛上のすれ違いや疑心暗鬼を生むトラブルの種を早期に解消・メンテして、読んでいてストレスを溜めない・引き摺らない、小気味よいスピード感と心理的安全性を伴ったモダンなラブコメ。
付き合って初手で、既に面識のある先方のご両親にご挨拶する中学生。
なんなんだよもう、もう早く孫の顔を見せて安心させてやれよw
あと山田ママ可愛い。
さて。
初恋が成就しない原因は、そもそも両想いにならなかったとか、思春期特有のコミュニティの圧だとか、相手が人妻だったとか、人それぞれに色々ありますが、
・未成年は経済的に自立していないせいで身の振り方を自分で決められないこと
・将来に向かうベクトルとスピードが多くの場合折り合わないこと
なども主要な原因の一つです。
なので、親の仕事の都合や家庭環境の変化に伴う転校などの外部要因や、進学先の違い、環境・人間関係の変化などで、初恋はあっさり壊れてしまう。
その恐れはこの主人公2人の関係ですら未だ孕んでいて、特に芸能人の卵と進学校組の相性なんて割りと最悪でしょう。
統計的な確率論でいけば、近い将来この2人は別れてしまう方が「リアル」なのかもしれない。
b.hatena.ne.jp
でも、私たちは世知辛い現実の再生産を求めて漫画を読んでいるわけではないはずで、イッチと山田の2人にはリアル(現実)とは違うリアリティ(説得力)を伴った、甘い夢をまだまだ見せて欲しいなと思います。
第一、バッドエンドが似合う漫画でもなし、二人が別れたらお前ら暴動起こしそうで怖ぇし。
なんでこんな甘々でラブラブの絶頂みたいな多幸感に溢れる巻を読んで、反対にこんなブルーな予感・妄想に走ってしまうんだろうか。
人は幸福の絶頂でかえって不安になってしまうものなのか、ある種のマリッジブルーなのか(違います)、初恋が実らなかったかつての子どもの僻みなのか。
次巻もアニメ2期も、楽しみです。
あと30年でも40年でも、『僕ヤバ』読みたいぞう。
あと全然関係なく、ちゃぶ台ひっくり返しますけど、どうにかして本編とは完全にパラレル、無関係、山田を傷つけることなく安全に、「イッチ×萌子」に萌えたくりたい願望もあるんですけど、どうしたら良いですか。
自分で同人誌描くしかないんですか。
aqm.hatenablog.jp
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