#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

FSS (NT2023年11月号 第18巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。

「第6話 時の詩女 アクト5-2 終わりの始まり TRAFFICS4 Both3069」。

扉絵コミで15ページ。

  

他の号はこちらから。

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以下、宣伝と余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)

11月号の発売から1ヶ月遅れでこの感想を書いています。

同時に12月号の感想も書いているので、2分後、日を跨いでそっちの感想もアップします。

aqm.hatenablog.jp

なんで1ヶ月遅れたのかというと、特にたいした理由はないと言えばないんですけど、内容的にあんまりすぐ感想記事アップしたくないな、とはちょっと思いました。

この内容を、本編読むより先にうちのブログで知ってしまう人がいたら、やっぱちょっとヤですよねw

 

あとはまあ、FSS全然関係ないですけどクルマ買いました。

厳密には注文しました。9月末に。年明け、1月中旬に納車予定。

aqm.hatenablog.jp

ご経験ある方はおわかりになるかもしれないですけど、欲しくてたまらないクルマの納車待ちの期間というのは、納車が楽しみすぎて他のことが手につかないというか、どうでもよくなるんですよね。

なので「漫画読んでる場合じゃねえ!」って感じで、FSSの感想記事に限らずブログの更新自体だいぶサボりました。

まあ3ヶ月後なんてニュータイプ誌換算で3号分だと思えばアッと言う間…

いや結構長ぇな。

 

「漫画読んでる場合じゃねえ!」って感じでその間はAC6やったり、

 

スイカゲームやったり、

クルマ関係ねえな。

 

ForzaHorizon5で運転の練習をしたりしてました。

もちろん、そんなことで納車が早まるわけでもないので、真面目にブログの更新してればよかった。

実は17巻の感想記事も、まだ書いてないんですよ。

 

(扉絵)

Z.A.P.空間高速移動モジュール ルナ・アインハイト(ブーメラン・アインハイト含む)の設定画+解説テキスト。

 

(本編)

廃人状態から覚醒したヨーンはパルスェットへの罪悪感に苛まれた夜が明けると、アイシャに「罪を償うために騎士になりたい」申し出る。そこに光皇・天照が顕現、アイシャに、そしてヨーンに、勅命と、「道具」を下賜する。

「新たなミラージュ騎士、誕生へ。次号、『エンペラーズ・ハイランダー』!!」(ニュータイプ2023年11月号より)

 

 

(所感)

扉絵

旧LEDの「ブーメラン・ユニット」、「ルナ(ルーナ)・ユニット」のZAP化、GTM化。

ガノタには「デンドロビウム」で通じるアレ。

デザイン的にはZAP本体の意匠を取り入れつつも、明らかに「天使の翼」を意識したデザイン。

これが複数、天から舞い降りてくる姿を想像すると、

「ルナ・アインハイトシリーズ…完成していたの…」

🎵わーたーしーにーかーえーりーなーさーいー

 

こんなんいっぱいあるんだったらヤクト要らなくね?と思ったんですけど、作者もそう思ったのか、ルナのバスターランチャーは「土木用」とのことw

いつか本編で描かれると良いですね。

 

ヨーンの罪悪感と償い

ヨーンはパルスェットを死なせた、広義の共犯なので、パルスェットの死に対して罪悪感を抱くのは、人間としてはわかります。

ただ騎士としては、ファティマの死にショックを受けすぎ、優し過ぎで、

「やっぱ騎士、向いてないんじゃないの?」

とは。

「ファティマを道具のように使い捨てる」フィルモア流ファティマ道とは正反対なんだけど、なんだろう、どっちが正しいとかじゃなくて、武道に流派がたくさん在るように、「ファティマの扱い方」にもいろんな流派があるんだろうか?

まあ、「向いてなさ」が素質に直結して強さの原因となるのも、よくある話なんですけど。カイエンも色んな意味で騎士、向いてなかったよね。

 

その「パルスェットへの償い」が「騎士になること」になるのも、理路がよくわかりませんでした。

確かにヨーンが「騎士になること」はパルスェットが望んでいたことで、また「騎士になっていなかったこと」が原因でパルスェットは死んだんですけど。

 

騎士になって「何を為すのか」が完全に抜けてんですよね。

むしろバーシャ、エスト、そしてデコースへの固執は捨てるとすら言っている。

じゃあ、騎士になって、そして??? 

 

実は罪悪感と償いを背負っている騎士はヨーンの他に既に、少なくとも2人います。

一人はアーレン・ブラフォードで、君主の命で一般人たちを虐殺した凶状持ちで、それ故に「道具」としての自分を正しく扱ってくれる君主に巡り合うことを期して放浪し、最終的に天照に出会いました。

もう一人はクリスティン・Vで、幼少期に一般人の上級生を撲殺した同じく凶状持ちで、フィルモア老人クラブに諭され、その償いとしてフィルモア国民への奉仕者としてフィルモア騎士になりました。

 

要するに、剣の主を持たずに力を持ち過ぎた騎士能力持ちというのは、高確率で「凶状持ち」になる、鞘に収まっていない抜き身の剣のような危険物であって、主人を持たないファティマに人権がないのと似て非なる意味で、本質的にはある種の被差別階級なんですね。

呪われた騎士。シバレース。

と、以前に提示されたテーマを、あらためて。

 

「何を為すか」がすっぽり抜けた、ヨーンの「騎士になってパルスェットに償う」は、ある意味「刑務所に入って罪を償う」と一緒なんです。

刑務所に入ってあれをやりたい、これをやりたいと思う奴はいません。

「刑務所に入る」が「罪を償う」に直結しているように、

ヨーンにとっては「騎士になる」が「罪を償う」に直結している。

 

本質的に、騎士は「あれをやりたい、これをやりたい」と夢を見てはいけない。

剣の主の奉仕者でなければいけない、誰を斬るかは主に決めてもらわなければいけない、ブラフォードの昔の主のように、たとえ主が間違っていても。

騎士に生まれてきてしまったことへの、ペナルティとして騎士になる。

呪われた騎士。シバレース。

 

被差別階級とは正反対の貴流で、騎士としての力を天照のために振るう夢を日々叶え続け、そのことに何の疑問も持っていないアイシャには、たぶん理解できないと思います。

 

アイシャ

なので、まあ、アイシャも困ります。

この子は、騎士になって、いったい何がしたいの?

 

デウス・エクス・マキナ

デウス・エクス・マキナ(deus ex machina、羅: deus ex māchinā デウス・エクス・マーキナー)とは、演出技法の一つである。古代ギリシアの演劇において、劇の内容が錯綜してもつれた糸のように解決困難な局面に陥った時、絶対的な力を持つ存在(神)が現れ、混乱した状況に一石を投じて解決に導き、物語を収束させるという手法を指した。 

ja.wikipedia.org

機械仕掛けでないことを除けば、天照は要するに「デウス・エクス・マキナ」をそのまま漫画のキャラにした存在なんだな、と。

 

ドラマとしては正直、建て付けが古いです。

独立不羈で鳴らした若者が、会ったこともない王様の家来になれてめでたしめでたし。

本当は内心やりたかったことを、たまたま勅命してもらえて、ラッキーだったね。

偉い人のお墨付きがもらえて、認めてもらえてよかったね。

唯一、自分を認めてくれた社長のために、モーレツに24時間がんばるぞ。

 

FSSの熱心な読者ではない、普通の人から見た今回の話はそんな感じでしょう。

まるで昭和の高度経済成長期やバブル期の物語です。

「自分の人生、自分の価値は、他人に決めさせず、自分で決めよう」

という近代の個人主義の流れに逆行するもので、令和に読む話とは思えません。

 

これはそもそも、専制国家世界観の騎士(武士)の話であることと、相手がデウス・エクス・マキナであったこと、なにより、天照のセリフのとおり現実の1980年代に既にプロットが決まっていた話がようやく描かれた、ということが大きいんでしょう。

 

実際、現実が令和の世であることを忘れて、皇帝と騎士の話であり、神様の話であり、そして40年越しのプロットであることを知っている身としては、今回のエピソードは感無量です。

時代の流行に乗りつつ、時代の流れに逆らうのもまた、この作者らしくも感じます。

そもそも作者が歴史・大河を描いているつもりであれば、例えば『太平記』や『三国志』や『燃えよ剣』に対して、

「感覚が古い」「令和っぽくない」

との指摘は的外れもいいところでしょうし。

 

「アイシャの役目」

これは、「辞表を受理した」と思って良いんでしょうか?

 

勅命

ブラック3襲撃に際しても報復を具申したサリオンに自重を命じた天照が、今さらデコース打倒を命じる理由がよくわかりません。

「機は熟した」ということ、デコース排除がバッハトマ崩壊のきっかけになるということ、なんだろうとは思います。

どうももう、天照を漫画の一キャラとは見れなくて

「デウス・エクス・マキナ」

「作者の名代」

「読者代表」

というメタな存在としての色眼鏡で見てしまって、

「一読者としてヨーンがデコースを倒すところを見たいだけだろう」

「実はパルスェットのファンで静かにキレてんのか?」

「年表(あるいはモナーク・セイクレッド)にそう書いてあるからだろう」

とか思ってしまいますね。

 

AUGE=HA型GTMモルフォ

なんで「アゲハ」なんて名前なんだろうと前から思ってたんですけど、今月号でようやく気づきました。

どうしても名前に「AUGE」を入れたかった、ただそれだけですねw

これ、ネイパーのアレなのか、アトロポスが壊したアレのレストアなのか、どっちなんでしたっけ?

 

「まったく別の名 あの名」

「ジークボゥ」でも「サイレン」でもない名前ってなんだ? 「レーダー」のこと?

 

あ、「単行本のクライマックスにGTM(MH)登場」の恒例に倣うと、もしかして今号までが18巻で、次号からが19巻だったりします?

「18巻相当」が2022年の6月号からで、

aqm.hatenablog.jp

今号で18冊目なので、ちょうどいい頃合いかな?

 

ということで、次号、12月号の感想はまた2分後ぐらいに。

 

aqm.hatenablog.jp

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