#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#ウィッチウォッチ 14巻 評論(ネタバレ注意)

『SKET DANCE』『彼方のアストラ』の作者の現作。

乙木守仁は、超人的な身体能力を持つ鬼の末裔であることを隠して普通に暮らしていた。

守仁の高校入学を控えた春休み、長期出張で海外へ出発する父と入れ替わりに、魔女の聖地に修行に出ていた幼馴染のニコが帰還。

両家の同意のもと二人は一緒に暮らし、守仁はニコの使い魔として彼女を予言された災いから護衛することに。

6年ぶりに再会したニコは可愛らしく、しかし強力ながらどこかポンコツな魔女に成長していた…

『ウィッチウォッチ』14巻より(篠原健太/集英社)

という、幼馴染の鬼ボーイ・ミーツ・魔女ガール・アゲインに、ニコの使い魔となる同居仲間が守仁以外にも天狗、狼男、吸血鬼と増えて、同居日常ギャグ学園ラブコメたまにシリアスバトルな漫画に。

シリアスなバトルもので人気を博したカッコよ可愛いキャラたちの、ギャグだったり緩かったりする日常や恋愛・ラブコメをもっとじっくり見てみたい、というのは人気作であれば多かれ少なかれ発生して、多くの場合その役割は公式スピンオフや二次創作に託されることになるんですが、

『ウィッチウォッチ』14巻より(篠原健太/集英社)

「一次創作内で自分で全部やっちゃおう!」

「バトル・ギャグ・コメディ・ラブコメ・日常・ホラー・ファンタジー、少年漫画のジャンルを全部一作品内でやっちゃおう!」

という作品。

ギャグコメディな日常をやりつつ、シリアスに悪役と対峙するバトル要素と、ニコと守仁のラブコメ要素が大きな縦軸に。

『ウィッチウォッチ』14巻より(篠原健太/集英社)

ねむたそ! って「眠たそう」みたい。

魔女の能力「アラート」によって平穏な日常が突然ぶっ壊される感覚を、読者として共有させられる展開。突然訪れるクライマックス。

ラブコメ展開からシームレスに、ジャンプらしいタイマン×4展開へ。

今巻は全編、「災いの日」編のバトル巻。決着も次巻に持ち越し。

『ウィッチウォッチ』14巻より(篠原健太/集英社)

もちろん、この日のために彼らは力と技を磨いてきたわけですし、「相手の弱点を見極める」近年のバトル漫画らしい能力バトル描写、また自分の弱さを超克しつつ仲間との絆によって自分の強さを増幅する、まさに「友情・努力・勝利」なジャンプ王道のバトル展開。

なんですが。

普段の日常回が情報量の多い「ネタ強」な作品だけに、対比として「たまに」のシリアスなバトル回は情報量が少なくは感じちゃいますねw

『ウィッチウォッチ』14巻より(篠原健太/集英社)

じゃあバトル回どうすればよかったんだというと、別にバトル回がどうとかよりも日常回が面白すぎるだけの話で、バトル回自体は十分見応えあって面白いので、別にどうもしなくていいと思いますが。

シリアスバトルに無理やりギャグコメ要素テンコ盛りにすればもっと面白くなるかというと、それも違うでしょうし。

ただ作品のツボというか「大トロ」の部位が、シリアスなバトル回じゃなくて日常回のギャグコメディという、おかしなジャンプ漫画だな、というw

自分は時期的な問題で読んでなかったんですが、本作作者の師匠筋の『銀魂』も、こんな感じだったんですかね。

『ウィッチウォッチ』14巻より(篠原健太/集英社)

ただこの『いろいろミルフィーユ』でしたっけ、作中作とのセルフコラボ、「メタの反対」って概念ってなんか名前ついてるんですっけ?

ちょっとすごい発想だな、と感心してしまった。

というところで、「災いの日」編決着に向けて、次巻に続く。

 

aqm.hatenablog.jp

aqm.hatenablog.jp