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#葬送のフリーレン 12巻 評論(ネタバレ注意)

TVアニメが好評かつ出来物で、普段は好きな漫画でも滅多にアニメを視聴しない自分も、サブスクで準リアルタイムで毎話楽しみに見ています。

AmazonPrimeVideoより

漫画を読んでストーリーを知ってはいても、絵に色がつき、絵が動き、声が演じ、演出され、BGMが盛り上げるアニメは、良いものですね。

アニメ化の効能として、「作品が主題歌(メインテーマ)を手にいれる」というのは大きいです。

勇者

勇者

  • YOASOBI
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

漫画の最新刊を読んでいても、ふとした拍子に脳内のBGMのように「勇者」がかかります。

名詞・名曲だ、というのもありますが、『【推しの子】』に続いて、YOASOBIさんは良いですね。結構アニメ見てんじゃねーかw

『葬送のフリーレン』12巻より(山田鐘人/アベツカサ/小学館)

80年前、魔王を打ち倒し平和をもたらした伝説のパーティ。

勇者ヒンメル。戦士アイゼン。僧侶ハイター。魔法使いフリーレン。

王都に凱旋した彼らには、世界を救った功績に対する歓待と、その後の長く平和な人生が待っていた。

80年が経ち、勇者も僧侶も寿命で世を去り、戦士のドワーフも老いた中、長命種エルフの魔法使いフリーレンだけがひとり変わることなく魔法を求めて彷徨いながら、かつての仲間の死と追憶に触れていく異色のファンタジーもの。

ヒロインからしたら一瞬にすぎない間しか同じ時間を過ごせない、エルフと人間の寿命と時間感覚のギャップの哀愁を淡々と。

『葬送のフリーレン』12巻より(山田鐘人/アベツカサ/小学館)

フリーレンに、弟子の魔法使いフェルン、戦士のシュタルクを加えた一行は、一級魔法使い試験を経て、危険なため通行が禁止された北部高原。

魔族の幹部・七崩賢の生き残り「黄金郷のマハト」を打倒したフリーレンの身に次に起こった出来事は、「女神の石碑」に触れたことが原因で、80年前、魔王討伐の旅の途上にあった「伝説のパーティ」の時代へのタイムリープだった。

フリーレンはフェルンやシュタルクが待つ「現代」へと戻ることができるのか…

ということで、伝説のパーティの冒険を、回想シーンではなく「現役」として一冊丸々読める眼福な巻。

『葬送のフリーレン』12巻より(山田鐘人/アベツカサ/小学館)

伝説の英雄となった彼らの、その歴史上の役割としての英雄ではなく、一人一人の人間としての生活・会話・活躍がダイレクトに見られます。

タイムトラベル、タイムリープをする作品というのは漫画分野をはじめ珍しくもありませんが、基本的に「タイムトラベル、タイムリープをしない作品」でソレが起こると、展開が作者と読者が暗黙の了解で嵌めていた『葬送のフリーレン』という作品の枠を壊して、ダイナミックかつスリリングに。

タイム・パラドックスを起こさないように、会話に気を使い魔法の使用にも気を使って過ごすフリーレン。

『葬送のフリーレン』12巻より(山田鐘人/アベツカサ/小学館)

それ以上に勇者ヒンメルの「本質力」とでもいうべき胆力・理解力・発想が、常軌を逸していて、敢えて限定的にタイム・パラドックスを起こし、それを利用するという…さすが、魔王を倒して世界を救った伝説の勇者というべきか。

この「たったひとつの冴えたやり方」のパターンを自分が初めて読んだのは『のび太の大魔境』だったでしょうか。

『フリーレン』でこれをやるのか…すっげ…

『葬送のフリーレン』12巻より(山田鐘人/アベツカサ/小学館)

これがアリなら、あんなことやこんなことも描ける、作品の「大トロ」にあたる伝説のアレすら描いた上で、踏み台にすることもできる、と夢が広がりんぐ。

フリーレンのタイムリープを検知した、「この旅」や「あの旅」でこないだ倒したはずの大魔族たちが、彼女の情報と生命を奪うべく襲撃、というところで次巻に続く。

なんか非常に物騒な伏線張ってった人も居ましたよね…大丈夫か地球…

あとフィクションの漫画の架空のキャラクターとはいえ、作中の魔族のやることとはいえ、おそらく生涯独身を貫く(貫いた)であろうヒンメルに対して、

『葬送のフリーレン』12巻より(山田鐘人/アベツカサ/小学館)

なんて残酷なことをするんだ…武士の情けとか人の心とかないんか…

 

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