「クプルム」ってなんだろう?と思って調べたらラテン語でcuprum 、英語のcopperで「銅」だそうです。
直訳で「銅の花嫁」というよりは、「妖怪・銅叩きの花嫁」という感じ。
新潟県 燕三条(三条市と燕市)。
モノづくりの職人の町で暮らすギャルで大学生・しいな(18♀)は、幼い頃から入り浸っている近所の銅器職人の工房の跡取り、幼馴染の修(20♂)にプロポーズされ、しいなの大学卒業を待って結婚するべく、婚約することに。
こわーい職人気質の修のジジババ、夏は暑く冬は寒い銅器職人の工房で、しいなは上手くやっていけるのか。
仏頂面で職人気質の男子と、無邪気で感情の起伏が豊かなギャルの、可愛らしい日常ラブコメ。
コロナ禍でご苦労されながらも取材に熱心な作者さんで、グルメも含めてご当地ネタも豊富。
昔気質の「職人の家」に嫁ぎつつも、近年の漫画でギャルに求められる「旧弊や人間関係の閉塞感を円満に打破する」役割をきっちりこなす、頼もしいヒロイン。
古風な家柄に風穴を開ける元気ヒロインという、ちょっとNHKの朝の連続テレビ小説風というか。
1巻以来、感想記事に「修(20♂)」って書いてきたんですけど、今巻で「25」と言ってて、
「あれ?5年経った?」
って感じでもないので、そもそもなんで自分は「修(20♂)」って思ったんだろうと1巻をいま読み返したんですが、よくわからなかった…
すまん、修は20歳じゃなくてたぶん25歳です。
婚約カップルのお仕事日常もの、という建て付けで、特に女の子の絵が可愛いゆるふわイチャラブ系っぽい作品なんですけど、今巻あたりから世界が「二人の部屋」や「工房」から外に出だしている感じがします。前からだっけ?
地方のご多分・伝統工芸のご多分に漏れず、燕三条の銅器職人の世界を舞台にしたこの作品も「人口減少」「過疎」「後継者難」「産業としての生き残り」という背景を抱えているんですが、目線が「地域と産業の振興・再興」に向き始めました。
いかにもお堅いテーマなようで居て、修としいなの親しみやすい当事者目線を守りつつも、キャラと一緒に自然と視座が高くなっていく感覚というか。
単純に「ライバル」という言葉では表現できない、修としいなに刺激を与える新キャラの存在も良いですね。
同じ漫画の最近の作品でいうと『であいもん』とかかなあ、誠実と真摯に少しのご都合主義を混ぜたウェルメイドな「ご当地漫画」「お仕事漫画」なんですけど、相変わらず日常(とイチャラブ)の描写も良いよねえ、っていう。
いや、けっこう足りてるぞw
「美少女は七難隠す」と言ってしまうと「七難」あるみたいで語弊がありますけど、女の子可愛いんだよね、この漫画。
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