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#恋文と13歳の女優 4巻 評論(ネタバレ注意)

一色 文(いっしき ふみ)・27歳(♂)は中規模の芸能事務所で経理を担当していたが、人手不足により上司から営業への異動を命じられた。

営業の職務はタレントのマネージャー。

一色が担当するタレントは、子役でブレイクした後、中学受験期の休業を経て中学生になって芸能活動に復帰した、羽賀あやの・13歳(♀)だった。

自分のために働き細々と世話を焼いてくれる一色に、あやのはすぐ懐いた、というか、わかりやすく言うとグイグイくる清楚系小悪魔だった…

『恋文と13歳の女優』4巻より(じゃが/芳文社)

という、中学生女優とマネージャーの未満恋愛もの、今んとこまだ日常寄り。

作品タイトルにしろ表紙にしろ帯のコピーにしろ、ロリコンホイホイの妄想系。

故・ジャニー喜多川の未成年タレントに対する生前の性的悪行が墓から掘り起こされて話題になってることもあって、タイミング的には最悪。

主人公の一色はグイグイくる美少女にドキマギはしつつも、今のところ

「マネージャーとしてこの子に何をしてあげられるか」

という職業意識と、毒親ではないものの不在の父親・多忙な母親の家庭で父性にも母性にも飢えている子どもに同情的。

自制というよりはそもそも恋愛・性愛の対象としてあやのを見ていないながら、ビジネス&同情からくる優しさがティーンエイジャーを勘違いさせてしまう定番展開。

『恋文と13歳の女優』4巻より(じゃが/芳文社)

主人公2人、文とあやののインナースペースの描写の湿度が高く、どこかスキャンダラスで破滅的な結末を予感させはしつつも、出版社は芳文社で、レーベルはFUZで、あんまりそういう展開の作品が思い浮かびませんね。

イメージ的にはこれが講談社でマガポケあたりだと淫行一直線なんでしょうけど。

今巻は新キャラ、子役時代以来のあやのの幼馴染の同業者、モデルに転向して最近再び女優業にも再進出中の実乃梨(みのり)が登場。

表紙の右の子。

可愛い系のあやのに対してジト目の美人系、態度はツンツン系ながら、実乃梨は実は…というキャラ。

『恋文と13歳の女優』4巻より(じゃが/芳文社)

ライバル系・いじめっ子系かと思いきやという正体(?)で、さっそくあやのにとっても文にとっても無害化されてしまいましたが、引っかき回し役としてはちゃんと機能してて、あやのの気持ち・文の気持ちを移す鏡というか、良い「壁打ち」役になってくれてます。いい子やね。

ラブコメで引っかき回し役はお邪魔虫かと思いきや、主人公やヒロインの気持ちを自覚させるきっかけを与える推進剤だった、というのはよくある話ですね。

『恋文と13歳の女優』4巻より(じゃが/芳文社)

併せて、出口のイメージがよくわからなかったこの作品の縦軸、

「文はあやのをどうしたいのか」

が、少し見えたような見えないような気もします。

「歳の差未満恋愛ラブコメ」要素に目が行ってましたが、実は「女優のサクセスストーリー」、『ガラスの仮面』をなぞれる漫画なのか?

『恋文と13歳の女優』4巻より(じゃが/芳文社)

『ガラスの仮面』の北島マヤも確か1巻登場時は13歳の中学生で、かつ「紫のバラの人」との歳の差未満恋愛を抱えたヒロインなんですよね。

20年前ならともかく、「そして●年後…」以外でくっつけるわけには、なかなかいかないテーマだし。

「ヒロインが14歳になったら、このタイトルの漫画どうするんだろう」

とは思いつつも、「あやのが可愛い」だけで割りと保っちゃう漫画だし、このままサザエさん時空の日常ものになんねえかな。って前も書きましたっけ。

『恋文と13歳の女優』4巻より(じゃが/芳文社)

巻末のおまけ4コマ、ほのぼの可愛く面白くて、良いんですよね。

ところで、今巻で実乃梨が授けた策・テクニックを以前既にあやのが文に実施済みだった、というのは、

「あやのが天然で(あるいは意識的に)小悪魔である」

という理解でいいのかな。

時系列をひっくり返してる、ある種の倒置的なトリックなのかな?と一瞬ちょっと混乱しましたw

 

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