#AQM

あ、今日読んだ漫画

#ELDEN RING 黄金樹への道 6巻 評論(ネタバレ注意)

ギャグコメ漫画の表紙に描くような絵じゃねえだろ…

「死にゲー」で有名なフロム・ソフトウェアのオープンワールド「ライク」な大ヒットアクションRPG『エルデンリング』の公式コミカライズ。

退廃的で陰鬱で重厚な雰囲気の世界観、かつて美しくも陰鬱な「狭間の地」から追われそして帰還した「褪せ人」を主人公に、王を目指して戦う血生臭くダークでシリアスな冒険を描く。

という原作ゲーム。

『ELDEN RING』より(フロム・ソフトウェア)

公式コミカライズはなぜかバカ系ギャグ漫画だった…

『ELDEN RING 黄金樹への道』6巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

なんでだよwww

と思わなくもないですが、原作を「真面目に」コミカライズしようと思ったら、重厚な超本格派のファンタジー戦記としての展開・描写が必要で、なかなか大変だったろうなと思います。暗いシーンが長大に続いてエンタメ性も低くなりそう。

奇策の変化球のようでいて、コミカライズするにあたっては唯一の解のような気もします。

自分は存じ上げなかったんですが、WEB連載開始時のネットの反応を見るにギャグ畑で有名な作家さんらしく、冒頭のシリアスなカラーページを見ても画力もなかなか尋常じゃないですが、描いてる内容は完全にギャグ漫画、ノリとしては『ピューと吹く!シャガー』を彷彿とさせます。

『ELDEN RING 黄金樹への道』6巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

そもそも今更『エルデンリング』の販促にはならないわ、『エルデンリング』プレイヤーしか楽しめないわ、「そもそも誰得のコミカライズだよ」ってのは置いといてw

自分は『エルデンリング』既クリアなので楽しく読めてます。

今巻は中盤のヤマ場、ゲームの最初のアップデート前までは超絶難易度で名を馳せた

gametokka.com

「ラダーン祭り」をまるっと。

『ELDEN RING 黄金樹への道』6巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

かつて「星砕き」と称され最強最大の武人として尊敬を集めながら、破砕戦争・エオニアの戦いでのマレニアとの勝者なき相討ちで、その腐敗の毒が回り自我を失って妄鬼と化して慟哭砂丘を彷徨う、大将軍ラダーン。

ラダーンと旧知の古戦士ジェーレンは、そんなラダーンの尊厳を守るべく、英雄たちを集めて彼を倒し武人としての最期を遂げさせるための、「ラダーン祭り」を開催する…

という、大将軍「星砕き」ラダーンへのリスペクトに満ちたイベント。

『ELDEN RING 黄金樹への道』6巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

メリメリやラニラニをアレだけイジる、どたばたギャグコメ漫画である本作でも、ラダーンに挑む褪夫を含む英雄たちがドタバタギャグコメを繰り広げても、物言わぬラダーン自身は決してイジらないリスペクトぶり。

馬の件、イジってますけど、ラダーンの優しさを示す美談ですよねアレw

ギャグコメ挟みつつも、エルデン世界の名うての武人たちがラダーンの尊厳のために力を合わせてラダーンに挑む、武骨に武張った侠気溢れるエピソード。

『ELDEN RING 黄金樹への道』6巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

自分も物言わぬ悲劇の英雄・ラダーンも「ラダーン祭り」も大好きなんですけど、作者のラダーン好きが伝わってくる、リスペクト溢れるコミカライズ。

「ラオウ的」というのか、男のロマンの一つですよね。

ケイリッド編も終わり、作品的には次は王都を目指すことになるのかな。

作画が大変そうだなあ…と思いますけど、作者の手によるものかアシスタントが優秀なのかツールによるものなのか自分は知りませんが、今巻のケイリッドやラダーンの描き込み密度を考えると、杞憂ですかね。

『ELDEN RING 黄金樹への道』6巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

すごいね、どうなることかと思ったコミカライズ、最後まで描き切りそうだ。

 

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